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社会保険労務士合格研究室

国民年金法「配偶者の遺族基礎年金の額」

R7-317 07.11

配偶者の遺族基礎年金の減額改定と失権

 配偶者の遺族基礎年金には、必ず子の加算額が加算されます。

 子の加算額は、子の数に応じて算定されます。

 子の数が減少すると、それに応じて、子の加算額が減額されます。

 

条文を読んでみましょう。

法第39条第3

 配偶者に支給する遺族基礎年金については、子が2人以上ある場合であって、その子のうち1人を除いた子の1人又は2人以上が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月から、その該当するに至った子の数に応じて、年金額を改定する。

1) 死亡したとき。

2) 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。

3) 配偶者以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。

4) 離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなったとき。

5) 配偶者と生計を同じくしなくなったとき。

6) 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。

7) 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。

8) 20歳に達したとき。

 

■ 配偶者に支給される遺族基礎年金について(子が2人の場合)

 2人の子のうち1人が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したとき(障害状態ではない)は、子の加算額が「2人分」から「1人分」に減額改定されます。

 

配偶者に支給される遺族基礎年金について(子が1人の場合)

 1人しかいない子が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したとき(障害状態ではない)は、子がいなくなるため配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅します。「減額改定」ではありませんので、注意して下さい。

 「配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、法第40条第1項の規定によって消滅するほか、子が1人であるときはその子が、子が2人以上であるときは同時に又は時を異にしてその全ての子が法第39条第3項各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。」

(法第40条第2項)

 

 

過去問をどうぞ!

①【H25年出題】

 妻が、1人の子と生計を同じくし遺族基礎年金を受給している場合に、当該子が障害の状態に該当しないまま18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは、当該遺族基礎年金の受給権は消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H25年出題】 〇

 生計を同じくしている子が1人の妻が遺族基礎年金を受給している場合に、当該子が障害の状態に該当しないまま18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは、生計を同じくする子がいなくなるので、妻の遺族基礎年金の受給権は消滅します。

 

 

 

 

②【R4年出題】

 被保険者である妻が死亡し、その夫が、1人の子と生計を同じくして、遺族基礎年金を受給している場合において、当該子が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときに、障害等級に該当する障害の状態にない場合は、夫の有する当該遺族基礎年金の受給権は消滅する。 

 

 

 

 

【解答】

②【R4年出題】 〇

 夫が、1人の子と生計を同じくして、遺族基礎年金を受給している場合で、当該子が障害の状態に該当しないまま18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは、生計を同じくする子がいなくなるので、夫の有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。 

 

 

③【H19年出題】※改正による修正あり

 配偶者に支給する遺族基礎年金は、加算事由に該当する子が1人のときは、その子が配偶者以外の養子となったときに消滅するが、その子が直系血族又は直系姻族の養子になったときは、この限りではない。

 

 

 

 

【解答】

③【H19年出題】 ×

 配偶者に支給する遺族基礎年金は、加算事由に該当する子が1人のときは、その子が「配偶者以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき」は失権します。

 そのため、加算事由に該当するすべての子が直系血族又は直系姻族の養子になったときは、配偶者の遺族基礎年金は失権します。

 ちなみに、子が直系血族又は直系姻族の養子となったときでも、子自身の遺族基礎年金は失権しません。

(法第40条第1項第3号)

 

 

 

④【R5年出題】

 遺族基礎年金の受給権を有する配偶者と子のうち、すべての子が直系血族又は直系姻族の養子となった場合、配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅するが、子の有する遺族基礎年金の受給権は消滅しない。

 

 

 

 

【解答】

④【R5年出題】 〇

・配偶者の遺族基礎年金について

→ 「すべての子が配偶者以外の者の養子となった場合」は配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。問題文のように「すべての子が直系血族又は直系姻族の養子となった場合」は、配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。

・子の遺族基礎年金について

→ 養子となった場合でも、「直系血族又は直系姻族の養子になった」場合は、遺族基礎年金の受給権は消滅しません。 

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