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横断 労災保険法と厚生年金保険法の遺族

H28.4.20 転給 → 労災(有)、厚年(無)

労災保険 遺族(補償)年金

厚生年金保険  遺族厚生年金

労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(妻以外の者は、一定の年齢要件又は障害要件に該当すること)

 

被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母(兄弟姉妹は入らない)

妻以外の者は、一定の年齢要件に該当すること)

(注)H8.4.1前に死亡した者の夫、父母、祖父母の場合は死亡当時一定の障害状態に該当していれば遺族となっていた

    ○共通点○   「妻」には、年齢要件も障害要件もつかない

「受給資格者」のうち最先順位者が「受給権者」となる。

受給権者が失権した場合、転給の制度がある。(転給=受給資格者の中で受給権が移っていく制度)

最先順位者のみ受給権を取得。

後順位者は遺族の範囲に入らない。(遺族厚生年金は受けられない。)

転給制度なし。

 

問題を解いてみましょう。

 

<労災保険法>

①H17年出題

 遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(妻以外の者にあっては、一定の年齢要件又は障害要件に該当するものに限る。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた者に限られる。

 

②H18年出題

 遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順である。  

 

<厚生年金保険法>

③H16年出題

 夫婦とも被保険者であり、妻が死亡した場合に死亡当時夫婦の収入によって生計を維持されていた障害等級に該当しない18歳未満の子及び60歳以上の母がいる場合、当該子が受給権者となったときは、その者が18歳に達する日以降の最初の3月31日を終了して失権しても、60歳以上の母は受給権者となることはできない。

 

④H23年出題

 被保険者の死亡により遺族厚生年金の受給権者となった妻が、再婚したことによってその受給権を失ったとき、被保険者の死亡当時その者によって生計を維持していた母がいる場合は、当該母がその遺族厚生年金を受給することができる。

 

 

 

【解答】

<労災保険法>

①H17年出題 ○

遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族(受給資格者)の要件

・ 労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(妻以外は、一定の年齢要件又は障害要件あり)

・ 労働者の死亡の当時生計を維持されていたこと

 

②H18年出題 ○

受給資格者の内の順位です。

受給資格者の中で最先順位者が受給権者(年金を受ける権利がある者)となります。

例えば、死亡当時生計を維持されていた妻と母(60歳)がいる場合、受給資格者は妻と母の2人です。受給資格者の内の順位は①妻、②母となり、「受給権者」は最先順位の妻となります。

その後、妻の受給権が失権した場合は、次の順位の母に受給権が移ります。このことを転給といいます。

ポイント!

受給資格者のうち、最先順位者が受給権者となります。

 

<厚生年金保険法>

③H17年出題 ○

 死亡当時子と母がいた場合、先順位の子だけが遺族厚生年金の受給権者になり、後順位の母は遺族厚生年金の対象にはなりません。転給の制度もないので、子が失権した後に母が受給権者になることもありません。

 

④H23年出題 ×

 上の③H16年の問題と同じです。死亡当時妻と母がいた場合、妻が遺族厚生年金の受給権者になり、母は遺族厚生年金の対象にはなりません。転給の制度もありませんので、母に受給権が移ることもありません。

 

ポイント!

厚生年金保険法第59条2項

 「父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。」

遺族厚生年金の順位は、①配偶者又は子、②父母、③孫、④祖父母です。

例えば「①配偶者又は子」が受給権を取得したら、②父母③孫④祖父母は遺族厚生年金の対象から外れるということです。

 

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