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割増賃金の単価

H28.4.29 割増賃金の単価に算入しなくてもいい賃金

家族手当や通勤手当も「労働の対償として支払われるもの」ですので、労働基準法上の賃金です。

ただし、家族手当は「家族の数」に応じて支払われるものですし、通勤手当は「通勤にかかる費用」に応じて支払われるもの。労働の対価ではあるけれど仕事内容には直接関係ありません。

そのため、割増賃金の基礎には算入しなくてもよいことになっています。

ちなみに受験生のときに教えてもらった、割増賃金の基礎に算入しなくてよい賃金の語呂合わせ「かつべしんいち」をずっと覚えています。(その後住宅手当が加わったので「かつべしんいちの住宅」にアレンジしました。)語呂合わせは苦手なので、覚えているのはこれだけですが。

か(家族手当)つ(通勤手当)べ(別居手当)し(子女教育手当)ん(臨時に支払われる賃金)一(1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)、じゅうたく(住宅手当)

 

 

では、問題を解いてみましょう!

① H23年出題 

 労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから、家族数に関係なく一律に支給されている賃金は、算定基礎賃金に含める必要はない。

 

② H26年出題 

 通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。

 

③ H19年出題

 労働基準法第37条第5項及び労働基準法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には家族手当、住宅手当等は算入されないこととされており、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当し、同法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。

 

【解答】

① H23年出題 × 含める必要がある

② H26年出題   ○

③ H19年出題 × 割増賃金の基礎となる賃金に算入する

「家族手当」「通勤手当」「住宅手当」という名称だからといって、すべてが割増賃金の基礎賃金に算入しなくてもいいというわけではありません。 

家族数に関係なく一律で支給されている家族手当、通勤手当でも距離に関係なく支払われている部分、住宅の形態ごとに一律に定額で支給されている住宅手当等は、割増賃金の基礎賃金に算入することになります。

例えば、扶養家族が1人の労働者にも扶養家族が3人の労働者にも一律の家族手当を支給している場合、その家族手当の額は労働者の個人的事情(家族数)に応じて決められているわけではないからです。

割増賃金の基礎から除外できるのは、あくまでも「労働者の個人的事情」に基づくものです。

 

割増賃金の単価の計算方法もチェック!

例えば、月給制の場合、割増賃金の基礎となる賃金は、

「月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、1年間における一月平均所定労働時間数)で除した金額」と規定されています。

 

※以下の要件で計算してみましょう。

・基本給20万円、皆勤手当1万円、職務手当3万円、通勤手当1万5千円

・1年間の1か月平均所定労働時間数169時間

 

割増賃金の基礎となる賃金の計算式は、

(20万円+1万円+3万円)÷169です。

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