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【改正】厚年 / 在職老齢年金

H28.7.6 在老改正 「資格喪失月まで」→「退職月まで」に変更

H28.3.26にUPした記事ですが、内容に言葉が足りない部分がありましたので、修正し、再度UPいたします。

受験生の皆様にはご迷惑をかけますが、もう一度お読みいただければ幸いです。

 

 

在職老齢年金(在老)とは、

厚生年金保険料を負担しながら、受け取る老齢厚生年金のことです。

年金の月額と報酬との合算によっては、年金が停止になる制度です。(場合によっては、年金が全額支給されることもあるし、逆に年金が全額支給停止になることもあります。

 

さて、在職老齢年金の年金の停止額は「月単位」で算定されます。

在職老齢年金の条文は以下の通りですが、かなり長文なので、「どの月が在老の対象で支給停止になるのか」というポイントだけ読んでみてください。

(支給停止)

第46条 老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)、国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続き当該国会議員又は地方公共団体の議会の議員である者に限る。)である日又は70歳以上の使用される者(前月以前の月に属する日から引き続き当該適用事業所において第27条の厚生労働省令で定める要件に該当する者に限る。)である日が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額(国会議員又は地方公共団体の議会の議員については、その者の標準報酬月額に相当する額として政令で定める額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額として政令で定める額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とし、70歳以上の使用される者(国会議員又は地方公共団体の議会の議員を除く。次項において同じ。)については、その者の標準報酬月額に相当する額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とする。以下「総報酬月額相当額」という。)及び老齢厚生年金の額(第44条第1項に規定する加給年金額及び第44条の3第4項に規定する加算額を除く。以下この項において同じ。)を12で除して得た額(以下この項において「基本月額」という。)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下この項において「支給停止基準額」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同条第4項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとする。

 在老の規定が適用される月は、「被保険者である日が属する月」です。

 ただし、要件は、前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。」とされています。

 例えば、老齢厚生年金の受給権者が再就職して厚生年金保険の被保険者になった(前月以前から引き続いて被保険者の資格を有していないものとする)場合、再就職後の在老の規定が適用されるのは、資格取得月の翌月からとなります。

 

*では、退職し資格を喪失した場合の扱いはどうでしょう?

上記改正条文の(厚生労働省令で定める日を除く。)の部分に注目してください。

この「厚生労働省令で定める日」は施行規則第32条の2で以下のように規定されています。

 『法第46条第1項に規定する厚生労働省令で定める日は、老齢厚生年金の受給権者が法第14条の規定により被保険者の資格を喪失した日(当該被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過した場合に限る。)とする。』→ 簡単に言うと、「被保険者の資格を喪失した日」は、「被保険者である日」としないということ

 

 

●改正前は、「被保険者の資格を喪失した日」は、「被保険者である日」と扱われていたので、在老の規定は「資格を喪失した日の属する月」まで適用されていました。そのため、月末退職(翌月1日が資格喪失日)の場合は、退職月の翌月まで在老の規定が適用されていました。

●しかし、改正後は、「被保険者の資格を喪失した日」は「被保険者である日」と扱われなくなりました。

 すると、月末退職の場合翌月1日が資格喪失日なので、退職月の翌月は「被保険者である日が属する月」ではありませんよね。被保険者である日が属するのは「退職月」までとなるので、在老の規定も「退職月」までということになります。(前月から引き続いて被保険者であるという前提・次の再就職は考えずに)

 

<例> 前月から引き続いて被保険者であるという前提・次の再就職は考えずに

◆7月31日退職・8月1日資格喪失の場合

在老の適用は退職月の7月まで

◆7月6日退職・7月7日資格喪失の場合在老の適用は退職月の7月まで            (改正前も7月までだった)

★★改正のポイント!

月末退職でも、在老の適用は「退職月まで」となったこと

 

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