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問題の解き方(厚生年金保険法)

R2-139

R2.4.18 遺族厚生年金の支給要件

遺族厚生年金の「死亡した者」の要件は次の4つです。

被保険者失踪の宣告を受けた被保険者であった者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき。

被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。

障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。

老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。

の場合は、保険料納付要件を満たす必要があります。

 

 

 

(H28年出題)当時の問題文を改正に合わせて改定しています。

 次の記述のうち、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給されるものはいくつあるか。

ア 20歳未満の厚生年金保険の被保険者が死亡した場合。

イ 保険料納付要件を満たしている被保険者が行方不明となり、その後失踪の宣告を受けた場合。

ウ 国民年金の第1号被保険者期間のみを有していた者が、離婚時みなし被保険者期間を有するに至ったことにより老齢厚生年金の受給権を取得した後に死亡した場合(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算してが25年以上あるものとする)。

エ 保険料納付要件を満たした厚生年金保険の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により、当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡した場合。

オ 63歳の厚生年金保険の被保険者が令和2年4月に死亡した場合であって、死亡日の前日において、その者について国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2未満であり、保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年未満であるが、60歳から継続して厚生年金保険の被保険者であった場合。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 5つとも○

アについて

に当てはまります。

厚生年金保険の被保険者だったら、年齢は関係ありません。

 

イについて

に当てはまります。

「被保険者の死亡」には「失踪の宣告を受けた者であって、行方不明となった当時被保険者であったもの」も含みます。

なお、失踪宣告を受けた場合、保険料納付要件、生計維持関係、被保険者資格は、行方不明になった日を死亡日として取り扱うことになっています。

問題文の場合、行方不明になった時点で「保険料納付要件を満たしている被保険者」ですので、要件を満たしています。

 

ウについて

に当てはまります。

厚生年金保険の被保険者になったことがなくても、離婚時みなし被保険者期間のみで老齢厚生年金の受給権を得ることがあります。

そのような人が死亡した場合、一定の遺族に遺族厚生年金が支給されることがあります。

 

エについて

に当てはまります。

初診日から起算して5年を経過する日前に死亡がポイントです。

「資格喪失日から5年」に間違えないようにしてくださいね。

 

オについて

問題文の注目ポイントは

・ 63歳の厚生年金保険の被保険者が死亡した → に該当する

・保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年未満である →  25年未満なのでには当てはまらない

 

の場合、保険料納付要件を満たす必要があります。

問題文の場合、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2未満、となっていますので、原則の保険料納付要件は満たしていません。

しかし、現在63歳で、60歳から継続して厚生年金保険の被保険者である、とのことなので、死亡日の属する月の前々月までの1年間に滞納がないことになるので、特例が適用できます。(令和8年4月1日前、かつ65歳未満)

 

 

 

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<R1年出題>

 障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときは、遺族厚生年金の支給要件について、死亡した当該受給権者の保険料納付要件が問われることはない。

 

 

 

 

 

 

【解答】 ○

に当てはまります。

保険料納付要件は問われません。(既に障害厚生年金の受給資格を満たしているので、遺族厚生年金の保険料納付要件は問わない。)

社労士受験のあれこれ