合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」

労働基準法 切り上げ切捨て

R3-289

R3.6.8 労基法・端数処理どこまで認められる?

今日は、労働基準法の端数処理はどこまで認めらるのか?がテーマです。

 労働基準法には、「全額払いの原則」(労働した分は100%支払う)がありますが、計算の便宜上、一定のラインまでは端数処理が認められています。

 

では、どうぞ!

①<H19年出題>

 割増賃金の計算の便宜上、1日における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各時間数に1時間未満の端数がある場合は、1日ごとに、30分未満の端数を切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、法違反として取り扱わないこととされている。

 

②<H25年出題> 

1日及び1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること並びに1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①<H19年出題> ×

 「1日」ごとに設問のような端数処理を行うのは、全額払いに原則に反します。

 違反とならない端数処理は、 

「1か月」時間外労働、休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計1時間未満の端数 → 30分未満切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる

(昭63.3.14基発150号)

 

②<H25年出題> ×

 問題文の最初の「1日」が誤りです。 

 時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、「1日」単位は不可、「1か月」ならOKです。(①の問題と同じ)

 問題の後半は〇です。

・ 1時間当たりの賃金額及び割増賃金額の円未満の端数

 → 50銭未満切り捨て、それ以上を1円に切り上げる

・ 1か月の時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の総額の1円未満の端  数 → 50銭未満切り捨て、それ以上を1円に切り上げる

 

 

こちらも、どうぞ!

③<H29年出題> 

1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額。)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払う事務処理方法は、労働基準法第24条違反として取り扱わないこととされている。

 

④<H24年出題> 

1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

③<H29年出題>  〇

1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額。)の100円未満の端数 → 50円未満切り捨て、それ以上を100円に切り上げる(OK)

 

④<H24年出題>  〇

1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)の千円未満の端数 → 翌月の賃金支払日に繰り越して支払う(OK)

 ③と④は、現金払いのときに封筒の中で小銭がジャラジャラたくさんにならないように、というイメージで覚えてください。

社労士受験のあれこれ