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徴収法 令和2年9月改正  その2

R3-302

R3.6.21 (改正)メリット収支率の算定

 労災保険法の改正で「複数業務要因災害」が加わりましたが、「メリット収支率」の算定には算入する?しない?が今日のテーマです。

 

メリット収支率とは?

 メリット収支率とは、簡単に言うと、「保険料の額」に対する「保険給付の額(特別支給金含む。)」の割合です。政府から見ると、収入(保険料)に対する支出(保険給付+特別支給金)の割合です。そして、どちらも「業務災害」に係る額であることがポイントです。

 この割合が高い(=労働災害の発生率が高い)場合、具体的には100分の85を超えると、保険料率が上がります。

 逆にこの割合が低い(=労働災害の発生率が低い)場合、具体的には100分の75以下の場合は、保険料率が下がります。

 

 ※メリット制が適用されるには、継続性(3年)、規模(100人以上など)の要件もあります。(継続事業(一括有期事業を含む)の場合)

 

では、「複数事業労働者」、「複数業務要因災害」とメリット制の関係は?

複数業務要因災害 → メリット収支率の計算には算入しません

   「複数業務要因災害」の場合は、どの事業場においても業務と疾病等との間に相当因果関係が認められないからです。

  → 通勤災害、二次健康診断等給付も今まで通り、算入しません。メリット収支率は「業務災害」で算定します。

★複数事業労働者の業務災害 → 「災害発生事業場における賃金額」をもとに算定した額に相当する額のみを算入します。

 

 

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①<H24年出題(労災)>

 継続事業(一括有期事業を含む。)に係るいわゆるメリット制は、連続する3保険年度中の各保険年度においてその適用を受けることができる事業であって、当該連続する3保険年度中の最後の保険年度の3月31日において労災保険に係る保険関係の成立後3年以上経過したものについて、その連続する3保険年度の間におけるいわゆるメリット収支率を基礎として運用される。

 

②<H24年出題(労災)>

 継続事業(一括有期事業を含む。)に係るいわゆるメリット制の適用を受けることができる事業は、連続する3保険年度中の各保険年度において、少なくとも次のいずれかに該当する事業であることが必要である。

① 100人以上の労働者を使用する事業

② 20人以上100未満の労働者を使用する事業であって所定の要件を満たすもの

③ 規模が、建設の事業及び立木の伐採の事業について当該保険年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの

 

③<H25年出題(労災)>

 継続事業に対する労働保険徴収法第12条による労災保険率は、メリット制適用要件に該当する事業のいわゆるメリット収支率が100%を超え、又は75%以下である場合に、厚生労働大臣は一定の範囲内で、当該事業のメリット制適用年度における労災保険率を引き上げ又は引き下げることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①<H24年出題(労災)> 〇

メリット制のポイント! その1 継続性の要件

 連続する3保険年度中の最後の保険年度の3月31日に、労災保険の保険関係の成立後3年以上経過していること

(法第12条)

 

②<H24年出題(労災)> 〇

メリット制のポイント! その2 規模の要件

 連続する3保険年度中の各保険年度において、

① 100人以上の労働者を使用する事業

② 20人以上100未満の労働者を使用する事業であって所定の要件(災害度係数が0.4以上)を満たすもの

③ 規模が、建設の事業及び立木の伐採の事業について当該保険年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの

(法第12条)

 

③<H25年出題(労災)> ×

メリット制のポイント! その3 収支率の要件

 メリット制が適用されるのは、メリット収支率が85%を超え、又は75%以下であるとき

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