合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」

第53回試験・厚生年金保険法【択一】

R4-020

R3.9.11 第53回厚年(択一)より~遺族厚生年金

 第53回試験を振り返ってみましょう。

★★☆ 一筋縄ではいかない、ひねりの効いた問題が多かったように思います。暗記したことを組み立てたり、図を書いてみたり、今年の厚生年金保険の問題は解くのに工夫が必要です。

 

【R3年問5】

(問5-ア)

 老齢厚生年金の受給権者(被保険者ではないものとする。)が死亡した場合、国民年金法に規定する保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年であったとしても、その期間と同法に規定する合算対象期間を合算した期間が25年以上である場合には、厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件に該当する。

 

(問5-イ)

 厚生年金保険の被保険者であった甲は令和341日に厚生年金保険の被保険者資格を喪失したが、厚生年金保険の被保険者期間中である令和3315日に初診日がある傷病により令和381日に死亡した(死亡時の年齢は50歳であった。)。この場合、甲について国民年金の被保険者期間があり、当該国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、当該国民年金の被保険者期間の3分の2未満であっても、令和27月から令和36月までの間に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の国民年金の被保険者期間がないときには、遺族厚生年金の支給対象となる。

 

(問5-ウ)

85歳の老齢厚生年金の受給権者が死亡した場合、その者により生計を維持していた未婚で障害等級2級に該当する程度の障害にある60歳の当該受給権者の子は、遺族厚生年金を受けることができる遺族とはならない。

 

(問5-エ)

 厚生年金保険の被保険者であった甲には妻の乙と、甲の前妻との間の子である15歳の丙がいたが、甲が死亡したことにより、乙と丙が遺族厚生年金の受給権者となった。その後、丙が乙の養子となった場合、丙の遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 

(問5-オ)

 厚生年金保険の被保険者の死亡により、被保険者の死亡の当時27歳で子のいない妻が遺族厚生年金の受給権者となった。当該遺族厚生年金の受給権は、当該妻が30歳になったときに消滅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】  

(問5-ア) 〇

 「老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき」は長期要件に該当します。

 この「25年」に合算対象期間が含まれることがこの問題のポイントです。

 問題文の通り、「保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間」とを合算した期間が25年以上の場合は、長期要件に該当します。

(法第58条、附則第14条)

 

(問5-イ) 〇

 保険料納付要件の特例の条件は、

・死亡日が令和8年4月1日前にある

・死亡日の属する月の前々月までの1年間に滞納期間がない

・死亡日に65歳未満

です。

 問題文の場合、

死亡日=令和381

死亡日の属する月(令和3年8月)の前々月までの1年間(令和2年7月から令和3年6月まで)に「保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の国民年金の被保険者期間がない」(滞納期間がない)

・死亡時に50歳

ということで、要件を満たしているので、保険料納付要件の特例が適用され遺族厚生年金の支給対象となります。

(法第58条、S60年法附則第64条)

 

(問5-ウ) 〇

 遺族となる「子」の要件は、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。」です。

 問題文の場合は、年齢要件に該当しないので、遺族となりません。

(法第59条)

 

(問5-エ) ×

直系血族及び直系姻族以外の養子となったときは遺族厚生年金の受給権は消滅しますが、問題文の場合は、直系姻族の養子ですので、遺族厚生年金の受給権は消滅しません。

(法第63条)

 

(問5-オ) ×

 30歳未満の子のいない妻の遺族厚生年金は、「遺族厚生年金の受給権を取得した日」から5年を経過したときに消滅します。問題文の場合、妻が30歳になったときは、まだ5年経過していませんので、消滅しません。

(法第63条)

社労士受験のあれこれ