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社会保険労務士合格研究室

ここを乗り越えよう!徴収法

R4-145

R4.1.14 メリット制の収支率の考え方(制度の仕組み編)

 労災保険率は、事業の種類ごとに決められています。

 事業の種類によって労働災害が発生するリスクが異なるからです。

 しかし、同じ種類の事業でも、作業環境の改善を行うなど個々の事業主の企業努力で災害発生率は変わります。

 メリット制は、企業努力で労働災害を抑えた場合はその企業の労災保険率を引き下げる、逆に労働災害が多い場合はその企業の労災保険率を引き上げて、労働災害の防止のための努力を促す制度です。

 

 継続事業、一括有期事業、単独有期事業のそれぞれでメリット制が設けられていますが、今日は、「継続事業」のメリット制のお話です。

 

 

 メリット制適用の条件として、次の3点があります。

① 事業の継続性

 連続する3保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(基準日)に労災保険に係る保険関係成立後3年以上経過していること

 

② 事業の規模

連続する3保険年度中の各保険年度に次の A B のどちらかを満たしていること

A 100 人以上の労働者を使用した事業

B 20 人以上 100 人未満の労働者を使用した事業で、災害度係数が 0.4 以上

 

③収支率

収支率が100分の85を超え又は100分の75以下になることが必要です。

 

 

「収支率」が今日のテーマです。

 

★収支率とは?

 「収支率」は、労災保険料に対する保険給付の割合です。政府から見ると労災保険料が収入、保険給付が支出です。労働災害が多いと、割合が高くなります。

 

★メリット制が適用される収支率の範囲は?

 メリット収支率が低い(具体的には75パーセント以下)の場合は、労災保険率が低くなります。(最大で、40%割り引かれます)

 逆にメリット収支率が高い(具体的には85%を超える)場合は、労災保険率が高くなります。(最大で40%割増されます。)

 なお、75%を超え85%以下の時は、メリット制は適用されませんので、労災保険率の増減はありません。

 

 

 ポイントは、メリット制に関係するのは「業務災害」だけという点です。

 非業務災害(通勤災害や二次健康診断等給付)は、企業の努力でどうにかなるものではないからです。

 

 次回に続きます。

 次回は、メリット収支率の問題を解きます。

社労士受験のあれこれ