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社会保険労務士合格研究室

ここを乗り越えよう!高年齢者雇用安定法

R4-154

R4.1.23 定年と高年齢者雇用確保措置

まず、「定年」の条文を読んでみましょう。

8条 (定年を定める場合の年齢)

 事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない

 ただし、当該事業主が雇用する労働者のうち、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務として厚生労働省令で定める業務に従事している労働者については、この限りでない。

 

施行規則第4条の2 

 法第8条の厚生労働省令で定める業務は、鉱業法に規定する事業における坑内作業の業務とする。

 「定年」の定めをする場合は、「60歳以上」にする必要があります。なお、「定めをする場合は」ですので、定年を定めないのもOKです。

 なお、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務として厚生労働省令で定める業務(坑内作業の業務)の場合は、60歳を下回る年齢が認められます。

「高年齢者」の定義は?

 高年齢者雇用安定法で「高年齢者」とは、「55歳以上」の者をいいます。

(法第2条、則第1条)

 

 

過去問をどうぞ!

①【H26年出題】

 高年齢者雇用安定法は、事業主に、定年年齢を定める場合には65歳以上とすることを義務づけている。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】 ×

 「65歳以上とすることを義務づけ」が誤りです。原則として「60歳を下回ることができない」です。

 

 

では、次に高年齢者雇用確保措置を読んでみましょう。

9条 (高年齢者雇用確保措置)

定年(65歳未満のものに限る。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、「高年齢者雇用確保措置」のいずれかを講じなければならない

1 当該定年の引上げ

2 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。)の導入

3 当該定年の定めの廃止

 

 定年を65歳未満にしている事業主は、高年齢者雇用確保措置として1~3のいずれかの措置の実施が義務づけられています。

1 65歳まで定年の引き上げ

2 65歳までの継続雇用制度の導入

3 定年制の廃止

 

 

では、過去問をどうぞ!

②【R1年出題】

65歳未満の定年の定めをしている事業主が、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、新たに継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。)を導入する場合、事業主は、継続雇用を希望する労働者について労使協定に定める基準に基づき、継続雇用をしないことができる。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【R1年出題】 ×

 平成25331日までは、経過措置として、労使協定で継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることができました。しかし、現在は、その経過措置は廃止されています。

継続雇用制度は、定年後も引き続き働きたいと希望する人全員を対象にする必要があります。

 

 

なお、令和34月から「高年齢者就業確保措置」(第10条の2)が設けられています。

 こちらは、70歳」までの就業機会を確保するためのものです。

(対象)

・ 定年年齢を65歳以上70歳未満に定めている事業主

・ 継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く。)を導入している事業主

 以下の1~5のいずれかの措置を講ずるよう「努めなければならない」とされています。(努力義務です。)

1 70歳まで定年年齢の引き上げ

2 70歳までの継続雇用制度の導入

3 定年制の廃止

4 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

5 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

    ①事業主が自ら実施する社会貢献事業

    ②事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

※4、5を創業支援等措置といいます。

※「雇用」だけでなく、業務委託契約などが入っているのが特徴です。 

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