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社会保険労務士合格研究室

ここを乗り越えよう!徴収法

R4-171

R4.2.9 継続事業・一括有期事業の確定保険料(その2精算)

 前回の続きです。

 年度終了後に、確定した賃金総額で保険料を算定し、概算で納付した保険料とのプラスマイナスを調整することになります。

 今回は、その精算の手続きがテーマです。

 

 

さっそく過去問をどうぞ!

①【R1年出題(労災)】

 事業主は、既に納付した概算保険料の額と確定保険料の額が同一であり過不足がないときは、確定保険料申告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出するに当たって、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)、年金事務所(日本年金機構法第29条の年金事務所をいう。)又は労働基準監督署を経由して提出できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R1年出題(労災)】×

 既に納付した概算保険料の額と確定保険料の額が同一で過不足がないとき=納付すべき労働保険料がない場合の確定保険料申告書は、日本銀行は経由できません。

※納付すべき労働保険料がある場合の確定保険料申告書は、日本銀行を経由することができます。

 

次は、納付した概算保険料よりも確定保険料のほうが少ない場合の手続きを条文で確認しましょう。

則第36条 (労働保険料の還付)

 事業主が、確定保険料申告書を提出する際に、又は確定保険料の認定決定の通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に、それぞれ、既に納付した概算保険料の額のうち、確定保険料の額を超える額(以下「超過額」という。)の還付を請求したときは、官署支出官又は事業場の所在地を管轄する都道府県労働局労働保険特別会計資金前渡官吏(以下「所轄都道府県労働局資金前渡官吏」という。)は、その超過額を還付するものとする。

 

則第37条 (労働保険料の充当)

 第36条の還付請求がない場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、超過額を次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金(石綿による健康被害の救済に関する法律の規定により労災保険適用事業主から徴収する一般拠出金をいう。)等に充当するものとする。

ポイント!

★既に納付した概算保険料が確定保険料よりも多い場合の超過額について

 「還付」か「充当」です。

 還付 → 還付請求が必要

 充当 → 還付請求がない場合は充当される

では、過去問をどうぞ!

②【R1年出題(労災)】

 事業主は、既に納付した概算保険料の額のうち確定保険料の額を超える額(超過額)の還付を請求できるが、その際、労働保険料還付請求書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。

 

 

③【H24年出題(雇用)】

 継続事業の事業主が納付した労働保険料の額が、確定保険料の額を超える場合において還付請求が行われないとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、法令の定めるところにより、その超える額を次の保険年度の概算保険料又は未納の労働保険料等に充当する。

 

 

④【H29年出題(雇用)】

 事業主による超過額の還付の請求がない場合であって、当該事業主から徴収すべき次の保険年度の概算保険料その他未納の労働保険料等があるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該超過額を当該概算保険料等に充当することができるが、この場合、当該事業主による充当についての承認及び当該事業主への充当後の通知は要しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【R1年出題(労災)】 ×

 提出先が誤りです。

 事業主は、超過額の還付を請求できますが、労働保険料還付請求書は、「官署支出官」又は「所轄都道府県労働局資金前渡官吏」に提出しなければなりません。

(則第36条)

 

③【H24年出題(雇用)】 〇

 超過額の還付請求が行われないときは、「所轄都道府県労働局歳入徴収官」は、超過額を次の保険年度の概算保険料又は未納の労働保険料等に充当します。

(則第37条)

 

④【H29年出題(雇用)】 ×

 超過額を概算保険料等に充当した場合は、「その旨を事業主に通知しなければならない」とされています。(則第37条第2項)「事業主による充当についての承認」は要しません。 

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