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社会保険労務士合格研究室

ここを乗り越えよう!厚生年金保険法

R4-181

R4.2.19 遺族厚生年金の遺族の優先順位

 前回は、遺族の要件をみましたが、今回はその優先順位です。

 では、条文を読んでみましょう。

第59条

② 父母は、配偶者又は子が、は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない

 

③ 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、将来に向って、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなす。

最も優先順位が高いのは、「配偶者又は子」です。配偶者と子は同順位です。

そして、「配偶者又は子」がいない場合は「父母」、「配偶者、子又は父母」がいない場合は「孫」、「配偶者、子、父母又は孫」がいない場合は「祖父母」の順番になります。

順位が高い遺族がいる場合は、それ以下の人は遺族厚生年金を受けることができる遺族になりません。

 

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【H29年出題】

 被保険者が死亡した当時、妻、15歳の子及び65歳の母が当該被保険者により生計を維持していた。妻及び子が当該被保険者の死亡により遺族厚生年金の受給権を取得したが、その1年後に妻が死亡した。この場合、母が当該被保険者の死亡による遺族厚生年金の受給権を取得することはない。

 

 

②【H23年出題】

 被保険者の死亡により遺族厚生年金の受給権者となった妻が、再婚したことによってその受給権を失ったとき、被保険者の死亡当時その者によって生計を維持していた母がいる場合は、当該母がその遺族厚生年金を受給することができる。

 

 

③【R2年出題】

 被保険者の死亡当時10歳であった遺族厚生年金の受給権者である被保険者の子が、18歳に達した日以後の最初の331日が終了したことによりその受給権を失った場合において、その被保険者の死亡当時その被保険者によって生計を維持していたその被保険者の父がいる場合でも、当該父が遺族厚生年金の受給権者となることはない。

 

 

④【H27年出題】

 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、厚生年金保険法第59条第1項に規定する遺族厚生年金を受けることができる遺族の範囲の適用については、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H29年出題】 〇

 生計維持されていたのが「妻、子、母」の場合、最も優先順位の高い「妻と子」に受給権が発生します。

『「父母」は、配偶者又は子が、遺族厚生年金の受給権を取得したときは、遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。』とされていますので、問題文の場合、母は遺族厚生年金の対象の遺族にはなりません。

転給の制度もありませんので、妻が失権しても、母が遺族厚生年金の受給権を取得することはありません。

 

 

②【H23年出題】 ×

 ①の問題と同じです。

妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合は、母は遺族厚生年金を受けることができる遺族にはなりません。

 

 

③【R2年出題】 〇

 ①、②と同じです。

子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、父は遺族厚生年金を受けることはできません。子が失権したとしても、転給されることもありません。

 

 

④【H27年出題】 〇

 「将来に向かって」がポイントです。死亡当時胎児だった子は、出生以降、遺族厚生年金の対象になります。 

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