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社会保険労務士合格研究室

健康保険法

R4-200 

R4.3.10 出産手当金その1 支給要件

 被保険者が出産した場合、産前産後の休業中は健康保険から出産手当金が支給されます。

 出産手当金の支給要件を確認しましょう。

 

 では、条文を読んでみましょう。

第102条 (出産手当金)

 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産したときは、出産の日出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。

 出産手当金が支給されるのは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日です。

 「出産日当日」は産前?産後?

 条文の「出産の日以前42日」と「出産の日56日」に注目してください。42日には「出産の日」を含み、56日は出産の日の翌日からとなります。出産当日は「産前」に入ります。

 

 「出産予定日」より出産が遅れた場合は?

 産前休業は、出産予定日6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得できます。

 条文の『出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日以前42日』の部分に注目してください。

 出産が予定日よりも遅れた場合は、出産予定日以前42日から出産日後56日が支給期間となるので、遅れた日数分も出産手当金が支給されます。

予定日以前42日

遅れた日数分

出産の日後56日間

 

 

予定日

 

 

出産日

 

 

 

 

          

 「任意継続被保険者」には支給される?

 任意継続被保険者には出産手当金は支給されません。

 なお、同様に、特例退職被保険者にも出産手当金は支給されません。(附則第3条)

 

では、過去問をどうぞ!

①【H30年選択式】

 健康保険法第102条第1項では、「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)< A >(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日< B >までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。」と規定している。

 

 

②【R2年出題】

 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産の日以前42日から出産の日後56日までの間において、通常の労務に服している期間があった場合は、その間に支給される賃金額が出産手当金の額に満たない場合に限り、その差額が出産手当金として支給される。

 

 

③【H18年出題】

 被保険者が出産予定日の42日前から出産休暇をとったところ、予定日より5日遅れて出産した場合、出産日以前の出産手当金の支給日数は47日となり、また、5日の超過日数が出産日後の56日から差し引かれることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年選択式】

A 以前42日

B 後56日

「前」ではなく「以前」、「以後」ではなく「後」なのがポイントです。

出産日当日は、「産前」に含まれることに注意してください。

 

 

②【R2年出題】 ×

 出産手当金が支給されるのは、「労務に服さなかった期間」です。

 問題文の「通常の労務に服している期間」があった場合は、その間は出産手当金は支給されません。

 

 

③【H18年出題】 〇

 予定日より遅れた日数分も支給されます。

 問題文のように予定日より5日遅れて出産した場合、支給期間は、産前は42日+5日、産後は出産の翌日から56日です。 

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