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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法

R4-206 

R4.3.16 離婚時みなし被保険者期間の扱いその1

「離婚時みなし被保険者期間」とは?

 例えば、厚生年金保険の被保険者の夫から第3号被保険者の妻に厚生年金の分割が行われた場合、妻は厚生年金保険の被保険者ではありませんが、分割を受けたことにより、その期間は(厚生年金保険の)被保険者期間であったとみなされます。これを「みなし被保険者期間」といいます。

 

■合意分割

・ 対象期間のうち第1号改定者の被保険者期間であって第2号改定者の被保険者期間でない期間  

 → 第2号改定者の被保険者期間であったものとみなす。(離婚時みなし被保険者期間)

 (第78条の7)

■3号分割

・ 特定期間に係る被保険者期間

 → 被扶養配偶者の被保険者期間であったものとみなす。(被扶養配偶者みなし被保険者期間)

(第78条の15)

 

 

 

 今日のテーマは「みなし被保険者期間」です。

 

 「みなし被保険者期間」を算入するか算入しないかが問われるポイントです。

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【H27年出題】

 厚生年金保険の被保険者期間が離婚時みなし被保険者期間としてみなされた期間のみである者は、特別支給の老齢厚生年金を受給することはできない。

 

 

②【H29年出題】

 離婚時みなし被保険者期間は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額の計算の基礎とはされない。

 

 

③【R3年出題】

 老齢厚生年金に配偶者の加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上という要件があるが、当該被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間を含めることはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 〇

 特別支給の老齢厚生年金は、1年以上の厚生年金保険の被保険者期間があることが条件です。みなし被保険者期間は、「1年以上」には算入されません。そのため、自身で厚生年金保険に加入したことがなく、みなし被保険者期間しか有しない場合は、特別支給の老齢厚生年金は受給できません。

(法附則第17条の10)

 

 

②【H29年出題】 〇

特別支給の老齢厚生年金の定額部分は、「1,628円×改定率×厚生年金保険の被保険者期間の月数」で計算しますが、みなし被保険者期間は、この計算には算入されません。

(法附則第17条の10)

 

 

③【R3年出題】 〇

 老齢厚生年金に配偶者の加給年金額が加算される要件である「被保険者期間の月数が240以上」の被保険者期間には、みなし被保険者期間は算入されません。

 加給年金額が加算されるには、自身の厚生年金保険の被保険者期間が原則として240以上あることが条件です。

(法附則第17条の10)

 

※「被扶養配偶者みなし被保険者期間」も「離婚時みなし被保険者期間」と同じ扱いです。 

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