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社会保険労務士合格研究室

雇用保険法

R4-234 

R4.4.13 「算定対象期間」について

 基本手当は、算定対象期間(離職の日以前2年間)に被保険者期間が通算して12か月以上あるときに支給されます。

 また、特定受給資格者又は特定理由離職者の場合は、離職の日以前 2 年間に被保険者期間が12か月以上なくても、離職の日以前 1 年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば、基本手当の受給資格を満たします。

 

 今回は、「算定対象期間」がテーマです。

 

条文を読んでみましょう。

13条 (基本手当の受給資格)

1 基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)。「算定対象期間」という。)に、被保険者期間が通算して12か月以上であったときに、支給する。

2 特定理由離職者及び特定受給資格者(1の規定により基本手当の支給を受けることができる資格を有することとなる者を除く。)については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あれば、受給資格を満たす。

 

則第18条 (法第13条第1項の厚生労働省令で定める理由)

法第13条第1項の厚生労働省令で定める理由は、次のとおりとする。

1 事業所の休業

2 出産

3 事業主の命による外国における勤務

4 国と民間企業との間の人事交流に関する法律に該当する交流採用

5 前各号に掲げる理由に準ずる理由であって、管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの

 

 離職の日以前 2 年間(特定理由離職者又は特定受給資格者の場合は2年間又は1年間)が原則の算定対象期間です。

 しかし、疾病、負傷その他一定の理由により引き続き 30 日以上賃金の支払を受けることができなかった場合は、賃金の支払を受けることができなかった日数が原則の算定対象期間に加算されます。ただし、算定対象期間は最大で 4 年間です。

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H26年出題】

 被保険者であった者が、離職の日まで業務外の事由による傷病のため欠勤し引き続き6か月間賃金を受けていなかった場合、雇用保険法第13条第1項にいう「離職の日以前2年間」は、2年間にその6か月間を加算した期間となる。

 

②【H23年出題】

 被保険者であった者が、離職の日の6か月前まで4年間、海外の子会社に勤務していたため日本で賃金の支払を受けていなかった場合、受給資格を判断する際に用いる、雇用保険法第13条第1項にいう「離職の日以前2年間」は、2年間にその4年間を加算した期間となる。

 

 

③【H29年出題】

 離職の日以前2年間に、疾病により賃金を受けずに15日欠勤し、復職後20日で再び同一の理由で賃金を受けずに80日欠勤した後に離職した場合、受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に係るものに該当しないとき、算定対象期間は2年間に95日を加えた期間となる。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】  〇

 疾病、負傷により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった場合は、その日数が2年に加算されます。

 「疾病又は負傷」は、業務上、業務外の別を問わない、とされていますので、問題文の場合は加算の対象になります。

(行政手引50152

 

 

②【H23年出題】 ×

 「海外の子会社に勤務していたため日本で賃金の支払を受けていなかった」場合は加算の対象になります。

 しかし、算定対象期間は最長で4年間ですので、「離職の日以前2年間」に加算できるのは2年間が限度、「離職の日以前1年間」に加算できるのは3年間が限度です。

 問題文の場合は加算できるのは4年間ではなく、最大で2年間です。

(行政手引50153

 

 

③【H29年出題】 〇

 賃金の支払を受けることができなかった日数は、30 日以上「継続」していることが条件です。

 しかし、例外もあります。

 途中で中断した場合でも、次の①~③のすべてに該当する場合は、これらの期間の日数をすべて加算することができます。

① 離職の日以前 2 年間又は 1 年間に、受給要件の緩和が認められる理由により賃金の支払を受けることができなかった期間があること。

同一の理由により賃金の支払を受けることができなかった期間と途中で中断した場合の中断した期間との間が 30 日未満であること

なお、①の期間以外である当該期間についても、30 日以上であることを必要とせず、30日未満であってもその対象となり得る。

③ ②の各期間の賃金の支払を受けることができなかった理由は、同一のものが途中で中断したものであると判断できる

 問題文は、15日と80日の欠勤が「同一の理由」であることと、中断が「20日間」であることがポイントです。

80日+15日=95日を原則の算定対象期間に加算できます。

(行政手引50153

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