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社会保険労務士合格研究室

労働基準法

R4-244 

R4.4.23 年俸制のこと

 賃金を1年単位で決定している制度を、年俸制といいます。

 労働者の成果や能力に対する評価で決定されます。

 年俸制の労働者にも、労働基準法の賃金のルールは適用されますし、また、時間外労働等をさせた場合は、割増賃金の支払いも必要です。

 

 今回は、年俸制のルールを確認します。

 

では、早速過去問をどうぞ!

①【H30年出題】

 労働基準法では、年俸制をとる労働者についても、賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないが、各月の支払いを一定額とする(各月で等分して支払う)ことは求められていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年出題】 〇

 年俸制にも賃金支払い五原則が適用されますので、「毎月1回以上、一定の期日を定めて」支払わなければなりません。

 毎月、年俸額の12分の1を支払い、各月の支払いを一定額にする方法もありますが、年俸額の一部を賞与の時期に支払う方法(例えば、毎月、年俸額の16分の1を支払い、16分の42等分して賞与として支給する等)もとれます。各月の支払いを一定額とすることは求められていません。

 

 

では、もう一問どうぞ!

②【H17年出題】

 年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用する事業場において、就業規則により、決定された年俸の16分の1を月例給与とし、決定された年俸の16分の42分して6月と12月にそれぞれ賞与として支給し、他に交通費実費分の通勤手当を月々支給することを定めて支給しているような場合には、割増賃金の支払いは、月例給与に賞与部分を含めた年俸額を基礎として計算をして支払わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【H17年出題】 〇

<この問題文の支払い方法>

毎月 → 年俸の16分の1+通勤手当

6月と12月 → 年俸の16分の2ずつを賞与として支給

 

 時間外労働等を行った場合は、年俸制の労働者にも割増賃金を支払わなければなりません。

 その際、「6月と12月に賞与として支払われている賃金」をどのように扱うのかがポイントです。

 通達では、「施行規則第21条第4号の「臨時に支払われた賃金」及び第5号の「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」のいずれにも該当しないものであるから、割増賃金の算定基礎から除外できない」とされています。

 ですので、賞与の部分も含めて計算しなければなりません。

 なお、通勤手当は算定基礎に含めませんので、割増賃金の支払いは、問題文のように「月例給与に賞与部分を含めた年俸額」を基礎として計算します。

H12.3.8基収78号)

 

 

★年俸制の平均賃金について

 割増賃金と同じように扱います。賞与部分を含めた年俸額の12分の11か月分の賃金として平均賃金を算定します。

H12.3.8基収78号)

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