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社会保険労務士合格研究室

労働組合法

R4-258 

R4.5.7 労働協約の一般的拘束力

 労働協約の適用範囲は、原則として、労働協約を締結した労働組合とその構成員です。しかし、労働組合法第17条では、要件を満たす場合は、その労働組合に加入していない労働者にも拡張することが規定されています。

 

条文を読んでみましょう。

第17条 (一般的拘束力)

一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【H13年出題】

 ある工場において、常時使用される同種の労働者の3分の2以上の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときには、同じ工場で使用される非組合員である同種の労働者にも、当該労働協約が適用されることとなる。

 

 

②【H30年出題】

 ある企業の全工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の者が一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場において、その労働協約の適用を受ける者の数が当該工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合、当該工場事業場においては、当該労働協約は一般的拘束力をもたない。

 

 

③【H23年出題】

 労働協約は、それを締結した労働組合の組合員の労働契約を規律するものであり、当該労働組合に加入していない労働者の労働契約を規律する効力をもつことはあり得ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H13年出題】 ×

 労働協約が拡張適用される条件は、常時使用される同種の労働者の「4分の3以上」の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときです。

 

 

②【H30年出題】 〇

 第17条は、「一の工場事業場」ごとに適用されることがポイントです。

 「一の工場事業場」とは、個々の工場事業場のことです。一つの企業が複数の工場事業場を有する場合は、その企業内の個々の工場事業場の各々が「一の工場事業場」となります。

 ある企業に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数のものが一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場で、その労働協約の適用を受ける者の数がその工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合は、その工場事業場においては、一般的拘束力は適用されません。

(昭29.4.7労発第111号)

 

 

③【H23年出題】 ×

 第17条の一般的拘束力が適用され、当該労働組合に加入していない労働者の労働契約を規律する効力をもつこともあります。 

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