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社会保険労務士合格研究室

雇用保険法

R4-290 

R4.6.8 傷病手当と基本手当の関係

 受給資格者が疾病又は負傷のため公共職業安定所に出頭することができない場合で、その期間が継続して15日未満の場合は、「証明書」で失業の認定を受け、「基本手当」を受けることができます。

 継続して15日以上の場合は、基本手当の代わりに、傷病手当を受けることができます。

 

 

 今回は、疾病又は負傷の理由で、引き続き30日以上職業に就くことができない場合の「受給期間の延長」がテーマです。

 

 

 雇用保険の基本手当の受給期間は、離職の日の翌日から1年(所定給付日数が330日の場合は1年+30日、360日の場合は1年+60日)が原則です。

 しかし、この受給期間内に、妊娠、出産等の理由で引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、申し出により、受給期間を離職日の翌日から最長4年まで延長することができます。

疾病又は負傷」により引き続き30日以上職業に就くことができない場合も、受給期間の延長の対象になります。

 

★その際のポイントは以下の通りです★

・当該傷病を理由として傷病手当の支給を受ける場合は、当該傷病に係る期間については、受給期間の延長の措置の対象とされません

 そのため、受給期間の延長を申請した後に、同一の傷病を理由として傷病手当の支給を申請した場合には、受給期間の延長の措置が取り消されます。

(行政手引50271

 

 

★「傷病手当」と「受給期間の延長」の関係の注意点です★

・公共職業安定所に出頭し、求職の申込みを行う以前に疾病又は負傷により職業に就くことができない状態にある場合は、傷病手当の対象にはなりません。しかし、受給期間の延長の申出をすることはできます。

・疾病又は負傷を理由として受給期間を延長した場合でも、その後受給資格者が当該疾病又は負傷を理由として傷病手当の支給を申請したときは、受給期間の延長が当初からなかったものとみなされ、傷病手当の支給が行われます。

  なお、その場合の傷病手当の支給日数は、当該疾病又は負傷を理由とする受給期間の延長が無いものとした場合の支給できる日数が限度です。

(行政手引53002

 

 

では、過去問をどうぞ!

 

①【H24年出題】

 離職前から引き続き傷病のため職業に就くことができない状態にある者について、一定の要件を満たす場合には、その者の申出により当該離職に係る受給期間を延長することは可能であるが、当該離職の日までの傷病期間に相当する日数は受給期間の延長の対象とはならない。

 

 

②【H28年出題】

 求職の申込後に疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合において、その期間が継続して15日未満のときは、証明書により失業の認定を受け、基本手当の支給を受けることができるので、傷病手当は支給されない。

 

 

③【H22年出題】

 受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭して求職の申込みを行う前に、疾病又は負傷によって職業に就くことができない状態になった場合でも、そのような状態が30日以上継続したことについて公共職業安定所長の認定を受ければ、傷病手当を受給することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H24年出題】 〇

 例えば、離職前から引き続き240日間、傷病のために職業につくことができない場合は、申し出により受給期間を延長することができます。

 240日間について、離職日までが150日、離職日の翌日以後が90日の場合は、離職の日までの150日間は、受給期間の延長の対象にはなりません。原則の受給期間に加えることができるのは離職の翌日以後の90日間となります。

(行政手引50272

 

 

②【H28年出題】 〇

 疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない期間が継続して15日未満のときは、証明書により失業の認定を受け、基本手当の支給を受けることができます。

 傷病手当は支給されません。

(行政手引53003

 

 

③【H22年出題】 ×

 傷病手当の条件は疾病又は負傷のために職業に就くことができない状態が「求職の申込み後」において生じたものであることです。

 問題文のように「求職の申込みを行う前に、疾病又は負傷によって職業に就くことができない状態になった場合」は、傷病手当は支給されません。

(行政手引53002

社労士受験のあれこれ