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社会保険労務士合格研究室

国民年金法

R4-294 

R4.6.12 任意加入被保険者の加入要件

 国民年金法には、「任意加入被保険者」、「特例による任意加入被保険者(65歳以上70歳未満)」として、任意に国民年金に加入できる制度があります。

 任意加入の目的は2つです。

1つめ 老齢基礎年金を増やす

 65歳からの老齢基礎年金を満額受給するためには、20歳から60歳までの40年間(480月)すべて保険料納付済期間であることが必要です。

 免除や滞納などで満額に満たない人は、任意加入して、老齢基礎年金を増やすことができます。

2つめ 老齢基礎年金の受給権を得る

 また、老齢基礎年金を受給するには、保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上必要です。その期間に足りない場合は、受給権を得るために任意加入することができます。

 

 「任意加入被保険者」は、1つ目、2つ目どちらの目的でも任意加入できます。

 一方、「特例による任意加入被保険者(65歳以上70歳未満)」は、2つ目の「老齢基礎年金の受給権を得る」目的に限定されます。1つめの「老齢基礎年金を増やす」目的では加入できませんので注意しましょう。

 

 今回のテーマは「任意加入被保険者」の加入要件です。

 

 まず、条文を読んでみましょう。

5条 (任意加入被保険者)

 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。

1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)

2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)

3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの

1~3の人は第1号被保険者の要件に当てはまりません。しかし、厚生労働大臣に申し出て任意加入することができます。ただし、第2号被保険者、第3号被保険者は任意加入できません。(任意加入する必要もないためです)

 

過去問をどうぞ!

 

①【H25年出題】

 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者は、日本国籍を有する限り、厚生労働大臣に申し出て被保険者となることができる。

 

 

②【H29年出題】

60歳で被保険者資格を喪失し日本に居住している特別支給の老齢厚生年金の受給権者(30歳から60歳まで第2号被保険者であり、その他の被保険者期間はない。)であって、老齢基礎年金の支給繰上げの請求を行っていない者は、国民年金の任意加入被保険者になることができる。

 

 

③【R2年出題】

60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和3142日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H25年出題】 ×

 「日本国内に住所を有する」60歳以上65歳未満の者は、国籍を問わず任意加入することができます。

なお、「日本国内に住所を有しない」20歳以上65歳未満の者が任意加入する場合は、「日本国籍を有する者」に限られます。

 

 

②【H29年出題】 〇

 「老齢基礎年金の繰上げ請求」を行った者は、国民年金の任意加入被保険者になることはできません。既に繰り上げて受給している老齢基礎年金を増やすことができないからです。

 なお、特別支給の老齢厚生年金の受給権者は、国民年金の任意加入被保険者となって、65歳以降の老齢基礎年金を増やすことができます。

(法附則第9条の23

 

 

 

③【R2年出題】 ×

 日本国籍を有していれば、日本国内に住所を有していなくても、任意加入被保険者の申出をすることができます。

 なお、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中でも任意加入被保険者になることができます。

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