合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」

社会保険労務士合格研究室

労災保険法

R4-316

R4.7.4 海外派遣者の特別加入 

 労災保険法は、属地主義がとられていて、国内の労働者の災害だけが保護の対象です。

 海外で業務に従事する場合は、通常は労災保険の保護の対象外となります。しかし、労災保険に特別加入することにより、労災保険の保護を受けることができます。

 海外派遣者として特別加入できるのは、次の3つです。

① 開発途上にある地域に対する技術協力の実施の事業(有期事業を除く。)を行う団体から派遣され、開発途上にある地域で行われる事業に従事する者

② 日本国内の事業(有期事業を除く。)から派遣され、海外において行われる事業(海外支店や工場など)で行われる事業に従事する労働者

③ 日本国内の事業(有期事業を除く。)から派遣され、特定事業に該当する事業に従事する事業主及びその他労働者以外の者

 

★③について

「特定事業」は中小企業に該当する規模の事業のことです。

 海外の事業が特定事業(中小企業の規模)の場合は、現地法人の社長として派遣される者も特別加入することができます。

 

★日本国内の事業が有期事業の場合は、海外派遣者の特別加入は認められません。

★日本国内の事業が継続事業なら、派遣先の海外の事業が有期事業の場合でも、特別加入させることができます。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H24年出題】

 海外派遣者について、派遣先の海外の事業が厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業に該当する場合であっても、その事業の代表者は、労災保険の特別加入の対象とならない。

 

 

②【H26年出題】

 日本に本社を有する企業であれば、その海外支店に直接採用された者についても、所轄都道府県労働局長に特別加入の申請をして承認を受けることによって、労災保険法が適用される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H24年出題】 ×

 派遣先の海外の事業が中小企業(厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業)に該当する場合は、その事業の代表者も、労災保険の特別加入の対象となります。

 

 

②【H26年出題】 ×

 海外支店で現地採用された者は、国内の事業からの派遣ではないので、特別加入の対象外です。

 

海外派遣者のポイント!

・ 新たに派遣される者に限らず、既に海外の事業に派遣されている者を特別加入させることもできます。

・ 単なる留学の目的で海外に派遣される者は、特別加入の対象となりません。

・ 海外出張者は、特別加入しなくても通常の労災保険の保護の対象となります。

 

(昭52.3.30基発第192号)

社労士受験のあれこれ