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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法

R4-336

R4.7.24 夫の遺族厚生年金

 今日は、夫に支給される遺族厚生年金を見ていきましょう。

 

では、条文を読んでみましょう。

第65条の2 

夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止する。ただし、に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。 

 遺族厚生年金の支給対象になる「夫、父母、祖父母」については、被保険者等の死亡当時55歳以上であることが条件です。

 ただし、60歳に達するまでは支給停止され、遺族厚生年金は60歳から支給されます。

 しかし、「夫」の場合は、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、60歳未満でも遺族厚生年金は支給停止されません。

 

過去問をどうぞ!

①【R1年出題】

 平成2641日以後に被保険者又は被保険者であった者が死亡し、その者の夫と子に遺族厚生年金の受給権が発生した。当該夫に対する当該遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、当該夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合でも、60歳に到達するまでの間、その支給を停止する。

 

 

②【H29年出題】

15歳の子と生計を同じくする55歳の夫が妻の死亡により遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得した場合、子が18歳に達した日以後の最初の331日までの間は遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができるが、子が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは遺族基礎年金は失権し、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金は支給停止される。なお、本問の子は障害の状態にはなく、また、設問中にある事由以外の事由により遺族基礎年金又は遺族厚生年金は失権しないものとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R1年出題】 ×

 夫に対する当該遺族厚生年金は、夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合は、60歳までの間でも、支給停止されません。遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されます。

 

 

②【H29年出題】 〇

妻の死亡当時の夫の状況

・夫の年齢は55歳 → 遺族厚生年金の受給権が発生します

15歳の子と生計を同じくしている → 遺族基礎年金の受給権が発生します。

 

 夫の遺族厚生年金は、原則は60歳までは支給停止されますが、遺族基礎年金の受給権を有しているので、60歳前でも支給停止にならず、遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができます。

 しかし、子が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは遺族基礎年金の受給権が消滅します。その際、夫はまだ60歳に達していませんので、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は、原則どおり遺族厚生年金は支給停止となります。

 

(妻死亡)

55

15歳         子18歳年度末      夫60

遺族厚生年金

支給停止

遺族厚生年金

遺族基礎年金

 

 

            遺族基礎年金失権

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