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社会保険労務士合格研究室

 令和4年基本問題(労働者災害補償保険法)

R5-022

R4.9.19 R4択一式より『(通勤災害)住居と就業の場所』

 令和4年の択一式から、基本問題を取り上げていきます。

 今日は、『(通勤災害)住居と就業の場所』です。

 

 通勤となる移動は3種類ありますが、代表的な移動は、「住居と就業の場所との間の往復」です。

 条文を読んでみましょう。

7条第2項 

 通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

1 住居就業の場所との間の往復

2 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動

3 第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

 

 「住居」とは労働者が居住して日常生活の用に供している家屋等の場所で、本人の就業のための拠点となるところをさします。

 「就業の場所」は、業務を開始し又は終了する場所をいいます。

(S48.12.1保険発第105号・庁保険発第24)

 令和4年の問題で、「住居」・「就業の場所」になる例、ならない例を確認しましょう。

 

では、令和4年の問題をどうぞ!

①【問5-A

 同一市内に住む長女が出産するため、15日間、幼児2人を含む家族の世話をするために長女宅に泊まり込んだ労働者にとって、長女宅は、就業のための拠点としての性格を有する住居と認められる。

 

②【問5-B

 アパートの2階の一部屋に居住する労働者が、いつも会社に向かって自宅を出発する時刻に、出勤するべく靴を履いて自室のドアから出て1階に降りようとした時に、足が滑り転倒して負傷した場合、通勤災害に当たらない。

 

③【問5-C

 一戸建ての家に居住している労働者が、いつも退社する時刻に仕事を終えて自宅に向かってふだんの通勤経路を歩き、自宅の門をくぐって玄関先の石段で転倒し負傷した場合、通勤災害に当たらない。

 

④【問5-D

 外回りの営業担当の労働者が、夕方、得意先に物品を届けて直接帰宅する場合、その得意先が就業の場所に当たる。

 

 

⑤【問5-E

 労働者が、長期入院中の夫の看護のために病院に1か月間継続して宿泊した場合、当該病院は就業のための拠点としての性格を有する住居と認められる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【問5-A】 〇

 長女が出産するため、長女宅に泊まり込んだ労働者にとって長女宅は、住居と認められ、長女宅から勤務先に向かう途中の事故は通勤災害と認められています。

S52.12.23基収1027号)

 

 

②【5-B】 ×

 アパートについては、部屋の外戸が住居と通勤経路の境界となります。

 自室のドアから出て1階に降りようとした時の階段は通勤経路となりますので、足が滑り転倒して負傷した場合は、通勤災害に当たります。

S49.4.9基収314

 

 

③【問5-C】 〇

 一戸建て屋敷構えの住居の玄関先は住居内となり、住居と就業の場所との間とはいえません。自宅の門をくぐって玄関先の石段での負傷は、通勤災害に当たりません。

S52.12.23基収981

 

④【問5-D】 〇

 得意先に物品を届けて直接帰宅する場合、その得意先は就業の場所に当たります。

S48.11.22基発644

 

 

⑤【問5-E】 〇

 長期入院中の夫の看護のために病院に寝泊まりしている病院は住居に当たり、その病院から出勤する途中の事故は、通勤災害と認められます。

S52.12.23基収981

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