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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(労働安全衛生法)

R5-031

R4.9.28 R4択一式より『重層的な請負関係の事業場の安全衛生管理体制』

今日のテーマは重層的な請負関係の事業場の安全衛生管理体制です。

 

さっそく令和4年の問題をどうぞ!

 

【問8】

 下記に示す事業者が一の場所において行う建設業の事業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 なお、この場所では甲社の労働者及び下記乙①社から丙②社までの4社の労働者が作業を行っており、作業が同一の場所において行われることによって生じる労働災害を防止する必要がある。

 甲社    鉄骨造のビル建設工事の仕事を行う元方事業者

        当該場所において作業を行う労働者数     常時5

 乙①社   甲社から鉄骨組立工事一式を請け負っている事業者

        当該場所において作業を行う労働者数     常時10

 乙②社   甲社から壁面工事一式を請け負っている事業者

        当該場所において作業を行う労働者数     常時10

 丙①社   乙①社から鉄骨組立作業を請け負っている事業者

        当該場所において作業を行う労働者数     常時14

 丙②社   乙②社から壁材取付作業を請け負っている事業者

        当該場所において作業を行う労働者数     常時14

 

A 甲社は、統括安全衛生責任者を選任しなければならない。

 

B 甲社は、元方安全衛生管理者を選任しなければならない。

 

C 甲社は、当該建設工事の請負契約を締結している事業場に、当該建設工事における安全衛生の技術的事項に関する管理を行わせるため店社安全衛生管理者を選任しなければならない。

 

D 甲社は、労働災害を防止するために協議組織を設置しなければならないが、この協議組織には自社が請負契約を交わした乙社及び乙社のみならず丙社及び丙社も参加する組織としなければならない。

 

E 甲社は、丙社の労働者のみが使用するために丙社が設置している足場であっても、その設置について労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

 

甲社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乙①社

乙②社

 

 

 

 

丙①社

丙②社

 

 

 甲社は元方事業者で、かつ、建設業ですので特定元方事業者となります。

 

 

A 〇

 一の場所で作業を行う労働者数が、元方事業者の労働者5人+関係請負人の労働者48人の合計53人です。

 原則として、労働者数が常時50人以上の場合は、特定元方事業者は統括安全衛生責任者を選任しなければなりません。

(法第15条、施行令第7条)

 

 

B 〇

 統括安全衛生責任者を選任した事業場で建設業の場合は、元方安全衛生管理者を選任しなければなりません。

※元方安全衛生管理者の選任が必要なのは建設業のみです。造船業の場合は選任義務はありませんので注意してください。

(法第15条の2

 

 

C ×

 統括安全衛生責任者の選任が義務づけられている規模の事業場ですので、店社安全衛生管理者の選任義務はありません。

(法第15条の3

 

D 〇

 特定元方事業者の甲社には、協議組織の設置及び運営を行うことが義務づけられています。

 「特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織」であることが条件となっていますので、自社が請負契約を交わした乙①社及び乙②社のみならず丙①社及び丙②社も参加する組織でなければなりません。

(則第635条)

 

 

E 〇

 法第29条第1項で「元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。」と規定されています。 

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