合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」

社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(労災保険法)

R5-032

R4.9.29 R4択一式より『業務の性質を有するものは通勤から除かれる』

 今日のテーマは、「業務の性質を有するもの」です。「業務の性質を有するもの」は「通勤」の定義から除かれます。

 

では、通勤の定義を条文で読んでみましょう。

法第7条第2

 通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

1 住居と就業の場所との間の往復

2 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動

3 第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

 「業務の性質を有するものを除く」の部分に注目してください。

 「業務の性質を有するもの」は通勤ではなく、業務災害となります。

 会社の通勤専用バスの利用に起因する事故、突発的事故等による緊急用務のため、休日に呼び出しを受け、緊急に出勤する途上の事故などは通勤ではなく、業務上となります。

 

 今日は、「出張中」の災害の扱いを確認しましょう。

 

では、過去問からどうぞ!

 

①【H25年出題】

 出張の機会を利用して当該出張期間内において、出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む。)については、当該立ち寄る行為が、出張経路を著しく逸脱していないと認められる限り、原則として、通常の出張の場合と同様、業務として取り扱われる。

 

 

②【H26年出題】

 明日午前8時から午後1時までの間に、下請業者の実施する隣町での作業を指揮監督するよう出張命令を受け、翌日、午前7時すぎ、自転車で自宅を出発し、列車に乗車すべく進行中、踏切で列車に衝突し死亡したが、同人が乗車しようとしていた列車が通常の通勤の場合にも利用していたものである場合は、通勤災害とされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H25年出題】 〇

 「出張の機会を利用して当該出張期間内において、出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む。)については、当該立ち寄る行為が、出張経路を著しく逸脱していないと認められる限り、原則として、通常の出張の場合と同様、業務として取り扱うこと。」とされています。

(H18.3.31基労管発第0331001号/基労補発第0331003号/)

 

 

②【H26年出題】 ×

 出張については、一般的に、その過程全般が業務行為と認められます。

 問題文のように、出張のため、自宅から自転車で駅に向かう途中の事故は、通勤ではなく、業務上とされます。

S34.7.15基収第2980号)

 

では、令和4年の問題をどうぞ!

【問6-A

 労働者が上司から直ちに23日の出張を命じられ、勤務先を出てすぐに着替えを取りに自宅に立ち寄り、そこから出張先に向かう列車に乗車すべく駅に向かって自転車で進行中に、踏切で列車に衝突し死亡した場合、その路線が通常の通勤に使っていたものであれば、通勤災害と認められる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問6-A】 ×

 通勤災害ではなく業務災害となります。 

社労士受験のあれこれ