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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(労災保険法)

R5-048

R4.10.14 R4択一式より 労災保険「再発」とは

 労災保険法の保険給付は、「治っていない」か「治った」がポイントです。

 例えば、仕事中にケガをし、療養を受けている間は、「療養補償給付」が支給されます。ケガが治ったとき(治ゆしたとき)は療養補償給付は終了します。治った後に一定の障害が残った場合は、障害補償給付が支給されます。

 そして、その後再発した場合は、療養補償給付が再度受けられるようになります。

 今日のテーマは「再発」の認定要件です。

 

 まず、「治った」とはどういう状態なのでしょうか?

・労災保険で傷病が「治った」ときとは、身体の諸器官・組織が完全に回復した状態のみをいうものではありません。傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいいます。

 この状態を「治ゆ」(症状固定)といいます。

 

 

では、次に「再発」の要件を令和4年の問題でみてみましょう。

【問-7

 業務起因性が認められる傷病が一旦治ゆと認定された後に「再発」した場合は、保険給付の対象となるが、「再発」であると認定する要件として次のアからエの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 当初の傷病と「再発」とする症状の発現との間に医学的にみて相当因果関係が認められること

イ 当初の傷病の治ゆから「再発」とする症状の発現までの期間が3年以内であること

ウ 療養を行えば、「再発」とする症状の改善が期待できると医学的に認められること

エ 治ゆ時の症状に比べ「再発」時の症状が増悪していること

 

A (アとイ)

B (アとエ)

C (アとイとエ)

D (アとウとエ)

E (アとイとウとエ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問-7 D (アとウとエ)

 再発として再び療養(補償)等給付を受けることができる要件は次の3つを満たした場合です。

①その症状の悪化が、当初の業務又は通勤による傷病と相当因果関係があると認められること

②症状固定の時からみて、明らかに症状が悪化していること

③療養を行えば、その症状の改善が期待できると医学的に認められること

 

問題文では、アとウとエの3つの要件を満たすことが条件となります。

 

(参考:厚生労働省パンフレット「労災保険における傷病が「治ったとき」とは・・・」

 

 

それでは、過去問をどうぞ!

①【H27年出題】

 療養の給付は、その傷病が療養を必要としなくなるまで行われるので、症状が安定して疾病が固定した状態になり、医療効果が期待しえない状態になっても、神経症状のような傷病の症状が残っていれば、療養の給付が行われる。

 

 

②【H28年出題】

 業務上の疾病が治って療養の必要がなくなった場合には、その後にその疾病が再発しても、新たな業務上の事由による発病でない限り、業務上の疾病とは認められない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 ×

 症状が安定して疾病が固定した状態になり、医療効果が期待しえない状態は「治ゆ」(症状固定)となります。「医療効果が期待できなくなった状態」とは、その傷病の症状の回復・改善が期待できなくなった状態です。

治ゆ後は、療養の給付は行われません。

(参考:厚生労働省パンフレット「労災保険における傷病が「治ったとき」とは・・・」

 

 

②【H28年出題】 ×

 傷病が一旦症状固定と認められた後に再び発症し、「再発」の要件を満たした場合は、再び療養補償給付が支給されます。

(参考:厚生労働省パンフレット「労災保険における傷病が「治ったとき」とは・・・」

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