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R5-050
「確定保険料申告書」を提出しなかったとき、申告書の記載に誤りがあるときは、政府が職権で確定保険料の額を決定(認定決定)し、事業主に通知することになっています。その際、追徴金が課されます。
では、条文を読んでみましょう。
第19条第4項、第5項 4 政府は、事業主が確定保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 5 認定決定の通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が政府の認定決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは政府の認定決定した労働保険料を、その通知を受けた日から15日以内に納付しなければならない。
第21条 (追徴金) 1 政府は、事業主が認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合は、この限りでない。 2 認定決定された確定保険料又はその不足額が1,000円未満であるときは、追徴金を徴収しない。 |
ポイント!
確定保険料の認定決定は、「事業主が確定保険料申告書を提出しないとき」、又は「その申告書の記載に誤りがあると認めるとき」に行われます。
なお、政府が認定決定した確定保険料の額について事業主に通知する場合は、「納入告知書」によって行います。
では、令和4年の問題をどうぞ
【問8-D(労災)】
事業主が所定の納期限までに確定保険料申告書を提出したが、当該事業主が法令の改正を知らなかったことによりその申告書の記載に誤りが生じていると認められるとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官が正しい確定保険料の額を決定し、その不足額が1,000円以上である場合には、労働保険徴収法第21条に規定する追徴金が徴収される。
【解答】
【問8-D(労災)】 〇
「天災その他やむを得ない理由により、認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合」には、追徴金は徴収されません。
「天災その他やむを得ない理由」とは、地震、火災、洪水、暴風雨等不可抗力的なできごと及びこれに類する真にやむを得ない客観的な事故をいい、法令の不知、営業の不振、資金難等は含まれない」(昭56.9.25労徴発68号)とされています。
問題文は、法令の不知によるものですので、追徴金が徴収されます。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題(労災)】
事業主が提出した確定保険料申告書の記載に誤りがあり、労働保険料の額が不足していた場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。このとき事業主は、通知を受けた日の翌日から起算して30日以内にその不足額を納付しなければならない。
②【H26年出題(雇用)】
事業主が、提出した確定保険料申告書に記載の誤りがあり、所轄都道府県労働局歳入徴収官より納付すべき労働保険料の額の通知を受けたときは、当該事業主は、納付した概算保険料の額が、当該通知を受けた額に足りないときは、その不足額(1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を納付しなければならない。ただし、法令の不知、営業の不振等やむを得ない理由による場合は、追徴金を徴収しないこととされている。
【解答】
①【R1年出題(労災)】 ×
認定決定された確定保険料は、「通知を受けた日から15日以内」に納付しなければなりません。なお、起算日は翌日です。「通知を受けた日の翌日から起算して15日以内」に納付しなければなりません。
②【H26年出題(雇用)】 ×
「天災その他やむを得ない理由」の場合は追徴金は徴収されませんが、「法令の不知、営業の不振等」はそれに含まれません。そのため、「法令の不知、営業の不振等」の理由の場合は、追徴金が徴収されます。
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