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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(労働基準法)

R5-060

R4.10.26 R4択一式より 特別条項による時間外労働の上限

 使用者は36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることによって、時間外労働をさせることができますが、労働時間の延長には上限が定められています。

 

・時間外労働の上限は、原則として、月45時間、年360時間です。

臨時的な特別の事情がある場合(特別条項)の場合は、月45時間、年360時間を超えて労働させることができます。

<特別条項の条件>

・時間外労働 →720時間以内

・時間外労働と休日労働の合計 → 100 時間未満

・時間外労働と休日労働の合計 → 2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1か月当たり80 時間以内

・月45時間の限度時間を超えることができるのは、年6か月まで

 

今日のテーマは特別条項による時間外労働の上限です。

 

 

では、令和4年の問題をどうぞ!

【問3-B

 小売業の事業場で経理業務のみに従事する労働者について、対象期間を令和411日から同年1231日までの1年間とする労働基準法第36条第1項の協定をし、いわゆる特別条項により、1か月について95時間、1年について700時間の時間外労働を可能としている事業場においては、同年の1月に90時間、2月に70時間、3月に85時間、4月に75時間、5月に80時間の時間外労働をさせることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問3-B】 ×

 特別条項の条件を満たしているかチェックしましょう

 

1

2

3

4

5

合計

時間外労働

90時間

70時間

85時間

75時間

80時間

400時間

・時間外労働の上限は年720時間以内

・時間外労働と休日労働の合計は月100 時間未満 

・月45時間の限度時間を超えることができるのは、年6か月まで 

・時間外労働と休日労働の合計が、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1か月当たり80 時間以内

→ 例えば、3月について、2~6か月の平均を出してみましょう。

2月~3月(2か月)の平均 → 77.5時間

1月~3月(3か月)の平均 → 81.66時間

 ※前年度の36協定の対象期間の時間数も入れて平均を出します。前年12月~3月(4か月)の平均、前年11月~3月(5か月)の平均、前年10月~3月(6か月)の平均もチェックが必要ですが、問題文では明らかにされていないので、今回は触れません。

 

 チェックの結果、1月~3月の3か月の平均が80時間を超えています。そのため、特別条項の条件を満たしていません。

 

 

過去問をどうぞ!

R2年出題】

 労働基準法第36条第3項に定める「労働時間を延長して労働させることができる時間」に関する「限度時間」は、1か月について45時間及び1年について360時間(労働基準法第32条の41項第2号の対象期間として3か月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあっては、1か月について42時間及び1年について320時間)とされている。

 

 

 

 

 

 

【解答】

R2年出題】 〇

 時間外労働の上限は、原則として「1か月45時間、1年360時間」です。ただし、1年単位の変形労働時間制(対象期間が3か月を超える場合)により労働させる場合は、「1か月42時間、1320時間」です。

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