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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(労災保険法)

R5-090

R4.11.25 R4択一式より 脳・心臓疾患の労災認定基準

 「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」が、令和3年に改正されました。

 働き方の多様化や職場環境の変化に応じて、最新の医学的知見を踏まえて、検証が行われたことによります。

 

新たに認定基準に追加されたポイントは以下の通りです。

■長期間の過重業務について

労働時間労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することが明確化されました。

・労働時間以外の負荷要因が見直されました。勤務間インターバルが短い勤務、身体的負荷を伴う業務などが評価対象として追加されました。

 

■短期間の過重業務・異常な出来事について

・業務と発症との関連性が強いと判断できる場合が明確化されました。

 

 

では、令和4年の問題をどうぞ!

※「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準(令和3914日付け基発09141号)」より

①【問1-A

 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、 1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められない場合には、これに近い労働時間が認められたとしても、業務と発症との関連性が強いと評価することはできない。

 

②【問1-C

 短期間の過重業務については、発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合や、発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合に、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【問1-A】 ×

発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと判断できます。

  しかし、その水準には至らないが、これに近い時間外労働が認められる場合は、特に他の負荷要因の状況を十分に考慮し、そのような時間外労働に加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できる、とされています。

「労働時間」と「労働時間以外の負荷要因」を総合的に考慮して判断するのがポイントです。

 労働時間以外の負荷要因として、「拘束時間の長い勤務」、「休日のない連続勤務」、「出張の多い業務」、「心理的負荷を伴う業務」などがあります。

 

②【問1-C】 〇

 「発症直前から前日までの間特に過度の長時間労働が認められる場合」、「発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等は、業務と発症との関連性が強いと評価できる、とされています。

★短期間の過重業務と発症との関連性を時間的にみた場合、業務による過重な負荷は、発症に近ければ近いほど影響が強いと考えられることから、次に示す業務と発症との時間的関連を考慮して判断されます。

① 発症直前から前日までの間の業務が特に過重であるか否か

② 発症直前から前日までの間の業務が特に過重であると認められない場合であっても、発症前おおむね1週間以内過重な業務が継続している場合には、業務と発症との関連性があると考えられるので、この間の業務が特に過重であるか否か

 

 

※厚生労働省パンフレット「脳・心臓疾患の労災認定」を参照しました。

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