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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(徴収法)

R5-092

R4.11.27 R4択一式より 法人の取締役の労災保険料

 一般保険料の額は、賃金総額×一般保険料率で計算します。

 今日のテーマは、法人の取締役の賃金が賃金総額に含まれるか否かについてです。

 

では、条文を読んでみましょう。

11条 (一般保険料の額)

① 一般保険料の額は、賃金総額に一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。

② 「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額をいう。

 

12条 (一般保険料に係る保険料率)

 一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。

1 労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労災保険率と雇用保険率とを加えた率

2 労災保険に係る保険関係のみが成立している事業にあっては、労災保険率

3 雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業にあっては、雇用保険率

 

一般保険料額は、賃金総額×一般保険料率で計算します。

一般保険料率は、以下の通りです。

① 労災保険と雇用保険に係る保険関係が成立している事業 

→ 労災保険率+雇用保険率

② 労災保険に係る保険関係のみが成立している事業

→ 労災保険率

③ 雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業

→ 雇用保険率

 

また、計算に使う「賃金総額」は、「すべての『労働者』に支払う賃金の総額」です。

 

 

では、令和4年の問題をどうぞ。

【問10-A(労災)】

 法人の取締役であっても、法令、定款等の規定に基づいて業務執行権を有しないと認められる者で、事実上、業務執行権を有する役員等の指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を受けている場合には労災保険が適用されるため、当該取締役が属する事業場に係る労災保険料は、当該取締役に支払われる賃金(法人の機関としての職務に対する報酬を除き、一般の労働者と同一の条件の下に支払われる賃金のみをいう。)を算定の基礎となる賃金総額に含めて算定する。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問10-A(労災)】 〇

 法人の取締役でも、事実上、業務執行権を有する役員等の指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を受けている場合は、「労働者」として労災保険が適用されます。

 そのため、労災保険料を計算する場合は、当該取締役に支払われる賃金(法人の機関としての職務に対する報酬を除き、一般の労働者と同一の条件の下に支払われる賃金のみをいう。)は、賃金総額に含まれます。

S61.3.14基発141号)

 なお、雇用保険については、「株式会社の取締役は、原則として、被保険者としない。取締役であって同時に会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となる。」とされています。(行政手引20351

 

過去問もどうぞ!

H24年出題(雇用)】

 労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業であっても、雇用保険法の適用を受けない者を使用する事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定する。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

H24年出題(雇用)】 〇 

 一元適用事業は、「賃金総額×一般保険料率(労災保険率+雇用保険率)」のように、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係をまとめて、一般保険料を計算します。   

 二元適用事業は、労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定することになっていますので、「賃金総額×労災保険率+賃金総額×雇用保険率」で計算します。

ただし、一元適用事業でも、労災保険が適用される労働者の範囲と雇用保険が適用される労働者の範囲が異なることがあります。そのような場合は、それぞれの保険で賃金総額が変わりますので、二元適用事業と同じように、「労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして」一般保険料の額を算定することになります。

(法第39条、整備令第17条) 

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