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社会保険労務士合格研究室

 令和4年の問題を復習しましょう(労働基準法)

R5-107

R4.12.12 R4択一式より 労働契約の契約期間の上限

 労働契約には、「期間の定めのある」契約と、「期間の定めのない」契約があります。 

 労働契約に契約期間を定める場合、最長は原則として3年です。長期労働契約はその間、労働者を拘束してしまうからです。

 「期間の定めのない労働契約」については、いつでも労働者から契約解除ができますので、労働基準法上の制限はありません。

 

 では、条文を読んでみましょう。

第14条 (契約期間等)

 労働契約は、期間の定めのないものを除き一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならない。

① 専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る)との間に締結される労働契約

② 60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(①に掲げる労働契約を除く。)

 

 労働契約に契約期間を定める場合の上限は原則として3年です。

例外も確認しましょう。

<例外1> 

一定の事業の完了に必要な期間を定める契約 → 3年を超える期間を定めることができます。例えば工事の完了に4年かかるような場合です。

<例外2>

専門的知識等で高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との契約 → 上限は5年となります。

※高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限られます。

<例外3>

60歳以上の労働者との間の契約 → 上限は5年となります。

 

では、令和4年の問題をどうぞ!

【問5-A

 社会保険労務士の国家資格を有する労働者について、労働基準法第14条に基づき契約期間の上限を5年とする労働契約を締結するためには、社会保険労務士の資格を有していることだけでは足りず、社会保険労務士の名称を用いて社会保険労務士の資格に係る業務を行うことが労働契約上認められていること等が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問5-A】 〇

 「専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等」は、告示で限定列挙されていて、「社会保険労務士」はその一つです。

 契約期間の上限を5年とするには、社会保険労務士の資格を有していることだけでは足りません。社会保険労務士の名称を用いて社会保険労務士の資格に係る業務を行うことが労働契約上認められていること等が必要です。

H15.10.22基発第1022001号)

 

 

過去問をどうぞ!

①【H28年出題】

 使用者は、労働者が高度の専門的知識等を有していても、当該労働者が高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、契約期間を5年とする労働契約を締結してはならない。

 

 

②【H27年出題】

 契約期間の制限を定める労働基準法第14条の例外とされる「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」とは、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかな場合であり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】 〇

 高度の専門的知識等を有しているだけでは、契約期間を5年とする労働契約は締結できません。高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていることが条件です。高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、上限は原則の3年です。

 

 

②【H27年出題】 〇

 「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」とは、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかな場合で、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要です。例えば、6年で完了する工事現場では、労働者を6年間の契約で雇入れることができます。 

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