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R5-121
老齢基礎年金の受給資格は、「保険料納付済期間」+「保険料免除期間」が10年以上あることですが、10年未満の場合は、附則第9条の特例により「合算対象期間」も合算して10年以上あれば受給資格を満たします。
「合算対象期間」は、受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の額には反映しませんので、カラ期間ともいわれます。
今日のテーマは、「第2号被保険者」としての被保険者期間のうちの合算対象期間です。
では、条文を読んでみましょう。
(昭60年法附則第8条第4項) 当分の間、第2号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間を有する者の20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間に係る当該保険料納付済期間は、国民年金法第26条(老齢基礎年金の支給要件)及び第27条(老齢基礎年金の年金額)の適用については、同法第5条第1項の規定にかかわらず、保険料納付済期間に算入せず、合算対象期間に算入する。 |
老齢基礎年金の年金額は、第1号被保険者の年齢(20歳以上60歳未満)の基準に合わせています。20歳から60歳までの40年間すべて保険料納付済期間なら満額が支給される仕組みです。
しかし、第2号被保険者については、厚生年金保険の被保険者なら20歳前でも60歳以上でも原則第2号被保険者となります。
そのため、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、老齢基礎年金の受給資格や年金額について「保険料納付済期間」として扱われるのは、「20歳以上60歳未満」の期間です。20歳未満、60歳以後の期間は「合算対象期間」となります。
※例えば、18歳から63歳まで厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)だった場合
18歳 20歳 60歳 63歳
厚生年金保険の被保険者(=第2号被保険者) | ||
カラ期間 | 保険料納付済期間 | カラ期間 |
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-D】
大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
【問8-D】 ×
問題文の場合、厚生年金保険の被保険者期間のうち、60歳~65歳までの5年間は、合算対象期間です。42年間のうちその5年間は、老齢基礎年金の額の計算には算入されませんので、老齢基礎年金は満額になりません。
20歳 23歳 60歳 65歳
未加入 | 厚生年金保険の被保険者(=第2号被保険者) | |
保険料納付済期間 (37年) | 合算対象期間 (5年) |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、合算対象期間とされ、この期間は老齢基礎年金の年金額の計算に関しては保険料納付済期間に算入されない。
②【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間と60歳以後の期間は、「合算対象期間」です。老齢基礎年金の年金額を計算する場合は、保険料納付済期間には算入されません。
②【H24年出題】 ×
障害基礎年金には、合算対象期間という扱いがありません。そのため、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間も、受給資格期間・年金額の計算ともに「保険料納付済期間」とされます。
なお、遺族基礎年金も障害基礎年金と同じ扱いです。
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