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R5-164
労働基準法の「使用者」の定義を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第10条 この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。 |
労働基準法の「使用者」とは労働基準法各条の義務についての履行の責任者のことです。
次の3つが、労働基準法の「使用者」と定義されています。
・事業主
→ その事業の経営の主体
・事業の経営担当者
→ 法人の代表者、支配人など
・その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者
では、過去問をどうぞ!
①【R2問1-A】
「事業主」とは、その事業の経営の経営主体をいい、個人企業にあってはその企業主個人、株式会社の場合は、その代表取締役をいう。
②【R2問1-B】
事業における業務を行うための体制が、課及びその下部組織としての係で構成され、各組織の管理者として課長及び係長が配置されている場合、組織系列において係長は課長の配下になることから、係長に与えられている責任と権限の有無にかかわらず、係長が「使用者」になることはない。
③【R2問1-C】
事業における業務を行うための体制としていくつかの課が設置され、課が所掌する日常業務の大半が課長権限で行われていれば、課長がたまたま事業主等の上位者から権限外の事項について命令を受けて単にその命令を部下に伝達しただけであっても、その伝達は課長が使用者として行ったこととされる。
【解答】
①【R2問1-A】 ×
「事業主」とは、その事業の経営の経営主体です。
個人企業の場合は企業主個人、株式会社など法人組織の場合は、「法人そのもの」をいいます。株式会社の代表取締役は、「事業主」には当たりません。
②【R2問1-B】 ×
「使用者」とは労働基準法各条の義務についての履行の責任者をいいます。
部長や課長等の形式にとらわれることなく、労働基準法各条の義務について実質的に一定の権限を与えられているか否かによります。
そのため、「係長」でも、与えられている責任と権限によっては、「使用者」として労働基準法の義務についての履行の責任が問われます。
(S22.9.13発基第17号)
③【R2問1-C】 ×
「使用者」は、労働基準法各条の義務について実質的に一定の権限を与えられているか否かによります。権限が与えられていなくて、単に上司の命令の伝達者にすぎない場合は使用者とはみなされません。
課長が、事業主等の上位者から権限外の事項について命令を受けて単にその命令を部下に伝達しただけの場合は、その伝達は課長が使用者として行ったことにはなりません。
(S22.9.13発基第17号)
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