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社会保険労務士合格研究室

労災保険法 特別加入者

R5-188

R5.3.3 特別加入者の通勤災害

 特別加入者には、「中小事業主等」、「一人親方等・特定作業従事者」、「海外派遣者」の3つの種類があります。

 労災保険法は、「労働者」の業務災害や通勤災害などを保護するための保険です。しかし、労働者と同じような業務に従事することの多い中小事業主や一人親方等は、労災保険に特別加入することによって、労働者に準じて保護が受けられます。

 また、労災保険は「属地主義」をとっていますので、例えば海外支店に転勤になった海外派遣者は、日本の労災保険の保護は受けられなくなります。しかし、労災保険に特別加入することによって、海外派遣者も労災保険の保護の対象となります。

 

 特別加入者は、原則として労働者と同じ保護が受けられます。

 しかし、「一人親方等・特定作業従事者」の一部は、通勤の実態がないなどの理由で通勤災害の保護の対象から除外されます。

 今日は、通勤災害の保護の対象から除外される特別加入者を確認しましょう。

 

 通勤災害の保護の対象から除外される特別加入者は以下の一人親方等、特定作業従事者です。(則第46条の22の2)

・自動車を使用して行う旅客若しくは貨物の運送の事業又は原動機付自転車若しくは自転車を使用して行う貨物の運送の事業に従事する者

→ 個人タクシー業者、個人貨物運送業者など

漁船による水産動植物の採捕の事業(船員法第1条に規定する船員が行う事業を除く。)に従事する者

→ 漁船による自営の漁業者

・特定農作業従事者、指定農業機械作業従事者

・家内労働者

 

ポイント!

・中小事業主等、海外派遣者は、すべて通勤災害の保護の対象です。

・通勤災害の保護から除外されるのは、「一人親方等、特定作業従事者」の「一部」です。全てではありませんので注意しましょう。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H30年選択式】

 通勤災害に関する保険給付は、一人親方等及び特定作業従事者の特別加入者のうち、住居と就業の場所との間の往復の状況等を考慮して厚生労働省令で定める者には支給されない。< A >はその一例に該当する。

選択肢

①医薬品の配置販売の事業を行う個人事業者

②介護作業従事者

③個人タクシー事業者

④船員法第1条に規定する船員

 

②【H26年出題】

 特別加入制度において、個人貨物運送業者については通勤災害に関する保険給付は支給されない。

 

③【H26年出題】

 特別加入制度において、家内労働者については通勤災害に関する保険給付は支給されない。

 

④【H22年出題】

 一人親方等の特別加入者のうち、漁船による水産動植物の採捕の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者は、自宅から漁港までの移動が通勤とみなされ、通勤災害に関しても労災保険の適用を受けることができる。

 

⑤【R3年出題】

 労働者を使用しないで行うことを常態とする特別加入者である個人貨物運送業者については、その住居と就業の場所との間の往復の実態を明確に区別できることにかんがみ、通勤災害に関する労災保険の適用を行うものとされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年選択式】

③ 個人タクシー事業者

 

②【H26年出題】 〇

 個人貨物運送業者には通勤災害に関する保険給付は支給されません。

 

③【H26年出題】 〇

 家内労働者には通勤災害に関する保険給付は支給されません。

 

④【H22年出題】 ×

 漁船による水産動植物の採捕の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者は、住居と就業の場所との往復の実態が明確でないので、通勤災害に関する保険給付は支給されません。

 

 

⑤【R3年出題】 ×

 労働者を使用しないで行うことを常態とする特別加入者である個人貨物運送業者は、住居と就業の場所との往復の実態が明確でないので、通勤災害に関する保険給付は支給されません。

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