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R5-211
基本手当の所定給付日数は、年齢、被保険者であった期間(算定基礎期間)、離職理由などで決まります。
しかし、事業主が、雇用保険の加入の手続を怠っていた場合、「被保険者であった期間(算定基礎期間)」が短くなってしまい、結果として所定給付日数が少なくなる可能性があります。
遡って雇用保険に加入できるのは、最大で2年です。雇用保険に加入すると保険料を負担することになりますが、雇用保険料の時効が2年だからです。
しかし、雇用保険料が給料から天引きされていたことが明らかな場合は、2年を超えて遡って、雇用保険に加入することができます。
では、条文を読んでみましょう。
第22条第4項、第5項 4 一の被保険者であった期間に関し、被保険者となった日が第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前であるときは、当該確認のあった日の2年前の日に当該被保険者となったものとみなして、算定基礎期間の算定を行うものとする。 5 次に掲げる要件のいずれにも該当する者(①に規定する事実を知っていた者を除く。)に対する前項の規定の適用については、同項中「当該確認のあった日の2年前の日」とあるのは、「次項第②に規定する被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日」とする。 ① その者に係る資格取得の届出がされていなかったこと。 ② 厚生労働省令で定める書類に基づき、第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前に雇用保険料の被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期があること。 |
被保険者の資格取得と喪失については、厚生労働大臣の確認によって効力が発生します。確認は、通常は、事業主からの届出によって行われることが原則です。
しかし、何かの理由で資格取得の届出が遅れた場合は、相当期間遡って、資格取得の事実が確認されることになります。
ただし、雇用保険料の時効が2年ですので、遡ることができるのは最大で2年です。本当は2年前の日より前に資格を取得していたとしても、2年前の日より前の期間は、被保険者であった期間に算入されません。確認が行われた日の2年前の日が、資格取得日となります。
資格取得日 2年前の日 確認
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算入されない | 被保険者であった期間 |
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▲資格取得日
<特例> 2年を超える遡及適用について
給与明細等の確認書類により、資格の取得の確認が行われた日の2年前の日より前に、雇用保険料の被保険者負担分が、給料から天引きされていたことが明らかである時期がある場合
↓
給与明細等の確認書類により雇用保険料の天引きがあったことが確認できる時期のうち最も古い日が、資格取得日とみなされます。
資格取得日 給料天引き 2年前の日 確認
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算入されない | 被保険者であった期間 |
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▲資格取得日
(行政手引23501)
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
雇用保険法第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前であって、被保険者が負担すべき保険料が賃金から控除されていたことが明らかでない期間は、算定基礎期間に含まれない。
②【R1年出題】
雇用保険法第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日前における被保険者であった期間は被保険者期間の計算には含めないが、当該2年前の日より前に、被保険者の負担すべき額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期がある場合は、その時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日以後の被保険者であった期間は、被保険者期間の計算に含める。
【解答】
①【R3年出題】 〇
被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前は、原則として、被保険者であった期間に算入されません。資格取得日は、確認が行われた日の2年前の日となります。
②【R1年出題】 〇
被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前に、『被保険者の負担すべき額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期』がある場合は、その時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日以後の被保険者であった期間は、被保険者期間の計算に含まれます。
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