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社会保険労務士合格研究室

労働安全衛生法 罰則の適用

R5-223

R5.4.7 労働安全衛生法 両罰規定

 労働安全衛生法では、「事業者」には、労働者の安全と健康を守るため、様々な義務が課せられています。

 違反した「事業者」は、罰則の対象になります。

 

 ところで、「事業者」とは、「事業を行う者で、労働者を使用するもの」をいいます。個人企業の場合は事業主個人、法人の場合は法人そのものをさします。

 法人の場合、法人自体は人間ではありませんので、法人自体が違反行為をすることはあり得ません。

 そのため第122条には、両罰規定が設けられています。

 条文を読んでみましょう。

122条 

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第116条、第117条、第119条又は第120条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、違反行為をしたときは、行為者は処罰の対象となります。

 また、事業主である「法人又は人」にも罰則が適用されます。労働安全衛生法の罰則には懲役もありますが、法人そのものに懲役刑は科せられません。「法人又は人」に対しては罰金刑が科せられます。

 

過去問をどうぞ!

①【H29年出題】

 労働安全衛生法は、基本的に事業者に措置義務を課しているため、事業者から現場管理を任されている従業者が同法により事業者に課せられている措置義務に違反する行為に及んだ場合でも、事業者が違反の責めを負い、従業者は処罰の対象とならない。

 

②【R2年出題】

 労働安全衛生法は、第20条で、事業者は、機械等による危険を防止するため必要な措置を講じなければならないとし、その違反には罰則規定を設けているが、措置義務は事業者に課せられているため、例えば法人の従業者が違反行為をしたときは、原則として当該従業者は罰則の対象としない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H29年出題】 ×

 従業者が労働安全衛生法の措置義務に違反する行為に及んだ場合は、行為者である従業者は処罰の対象となります。

 両罰規定で事業者にも罰金刑が科せられます。

 

 

②【R2年出題】 ×

 法人の従業者が違反行為をしたときは、当該従業者は罰則の対象となります。

 また、事業者にも罰金刑が科せられます。

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