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社会保険労務士合格研究室

労働安全衛生法 安全衛生管理体制

R5-237

R5.4.21 派遣労働者の安全衛生管理体制

 事業者には、総括安全衛生管理者等の選任や、安全委員会等の設置などが義務づけられています。

 必要な安全衛生管理体制は労働者の人数などによって決まりますが、派遣労働者については、派遣元、派遣先のどちらの事業者が義務を負うのでしょうか?

 

 派遣労働者は、「派遣元」とは労働契約関係、「派遣先」とは指揮命令関係にあります。 

 事業者としての労働安全衛生法の責任は、原則として労働契約関係にある派遣元にあります。しかし、例えば、現場作業に関することなどは、特例で「派遣先」の事業者に適用されます。また、派遣元、派遣先の両方に適用されるものもあります。

 なお、派遣労働者についての労働安全衛生法の適用に関する特例は、労働者派遣法第45条に規定されています。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H19年出題】

 派遣中の労働者に関しての安全管理者の選任の義務及び安全委員会の設置の義務は、派遣元の事業の事業者(「派遣元事業者」という。)のみに課せられているが、当該事業場の規模の算定に当たっては、派遣元の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて、常時使用する労働者の数を算出する。

 

 

②【H27年出題】

 事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに衛生管理者を選任しなければならないが、この労働者数の算定に当たって、派遣就業のために派遣され就業している労働者については、当該労働者を派遣している派遣元事業場及び当該労働者を受け入れている派遣先事業場双方の労働者として算出する。

 

 

③【H30年出題】

 派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医を選任し、衛生委員会の設置をしなければならない。

 

 

④【H19年出題】

 派遣中の労働者に関しての総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者及び産業医の選任の義務並びに衛生委員会の設置の義務は、派遣先事業者のみに課せられており、当該事業場の規模の算定に当たっては、派遣先の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて、常時使用する労働者の数を算出する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H19年出題】 ×

★「安全管理者」と「安全委員会」について

 現場で安全確保のための措置をとる必要があるため、安全管理者の選任の義務、安全委員会の設置義務ともに、「派遣先事業者」のみに課せられています。

 人数は、派遣中の労働者も含めて派遣先で算出します。

ポイント!

安全管理者の選任と、安全委員会の設置の義務は、「派遣先」のみに課せられます。

 

 

②【H27年出題】 〇

★「衛生管理者」について

 衛生管理者は、派遣元事業者、派遣先事業者のどちらにも選任義務が課せられています。

 派遣中の労働者については、「派遣元事業場」及び「派遣先事業場」双方の労働者の数に含まれます。

 

 

③【H30年出題】 〇

★「総括安全衛生管理者」、「衛生管理者」、「産業医」、「衛生委員会」について

 派遣元事業者、派遣先事業者のどちらにも、選任・設置義務が課せられています。

 派遣中の労働者については、「派遣元事業場」及び「派遣先事業場」双方の労働者の数に含まれます。

 問題文のように、派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて選任・設置しなければなりません。

 

 

④【H19年出題】 ×

 派遣中の労働者に関しての総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者及び産業医の選任の義務並びに衛生委員会の設置の義務は、「派遣先事業者のみ」ではなく、「派遣元事業者」と「派遣先事業者」の双方に課せられています。

ポイント!

「総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者、産業医」の選任・「衛生委員会」の設置の義務は、「派遣元」「派遣先」の双方に課せられます。

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