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社会保険労務士合格研究室

労働基準法 解雇

R5-248

R5.5.2 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合  

 まず、「解雇制限」の条文を読んでみましょう。

19条 (解雇制限)

① 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30は、解雇してはならない。

ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。

② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 

<解雇制限期間>

・業務上の傷病のため療養中の期間とその後30日間

・産前産後休業期間とその後の30日間

は、解雇が禁止されています。

★例外

・打切補償を支払う場合

・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(→所轄労働基準監督署長の認定が必要です。)

は、解雇制限が解除されます。

 

 今日は、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」をみていきましょう。

ポイント!

「やむを得ない事由」とは

 天災事変に準ずる程度に不可抗力に基づきかつ突発的な事由です。

 事業の経営者として、社会通念上採るべき必要な措置を以てしても通常如何ともなし難いような状況にある場合をいいます。

(昭63.3.14基発150号)

 

では、過去問をどうぞ!

①【R2年出題】

 使用者は、労働者を解雇しようとする場合において、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には解雇の予告を除外されるが、「天災事変その他やむを得ない事由」には、使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合も含まれる。

 

②【H30年出題】

 使用者は、税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合には、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」として、労働基準法第65条の規定によって休業する産前産後の女性労働者であっても解雇することができる。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R2年出題】 × 

 「使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合」は含まれません。 

事業場が火災により焼失した場合は、「その他やむを得ない事由」に該当しますが、事業主の故意又は重大な過失に基づく火災の場合は、除かれます。

(昭63.3.14基発150号)

※第19条と第20条の「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」は、同じ意味です。

 

②【H30年出題】 ×

 税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合には、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には該当しません。

(昭63.3.14基発150号) 

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