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社会保険労務士合格研究室

労働基準法 均等待遇

R5-276

R5.5.30 第3条の労働条件と雇入れ

 労働基準法第3条では、「国籍、信条、社会的身分」を理由として、労働者を差別することを禁止しています。

 条文を読んでみましょう。

3条 (均等待遇)

 使用者は、労働者の国籍信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない

★今日は、「賃金、労働時間その他の労働条件」に注目します。

 労働条件の中に、賃金、労働時間は当然含まれますが、それ以外の条件は、どこまで含まれるでしょうか?

 

 

では、過去問をどうぞ

①【H30年出題】

 労働基準法第3条にいう「賃金、労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないため、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されていても、「労働条件」にはあたらない。

 

 

②【H28年出題】

 労働基準第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所の判例である。

 

 

③【H21年出題】

 労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別的取扱いは、雇入れにおける差別も含まれるとするのが最高裁判所の判例である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年出題】 ×

 「その他の労働条件」には、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件も含まれます。

S23.6.16基収1365号、S63.3.14基発150号)

 「解雇の意思表示」そのものは労働条件とはいえません。しかし、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されている場合は、「労働条件」にあたります。

 

 

②【H28年出題】 〇

ポイント!

・企業者が、労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件で雇うかについては、原則として自由に決定できる。企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない

・労働基準法3条は雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制約する規定ではない

S48.12.12最高裁判所大法廷 三菱樹脂事件)

 

③【H21年出題】 ×

 労働基準法3条は雇入れ後における労働条件についての制限ですので、雇入れそのものを制約する規定ではありません。「雇入れにおける差別も含まれる」の部分が誤りです。

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