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社会保険労務士合格研究室

雇用保険法 賃金

R5-295

R5.6.18 賃金日額の算定

 基本手当の日額の算定の基礎となるのが賃金日額です。

 賃金日額の算定方法や、算入される賃金についてみていきましょう。

 

では、条文を読んでみましょう。

17条第1項、2

① 賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で除して得た額とする。

② ①の規定による額が次の各号に掲げる額に満たないときは、賃金日額は、①の規定にかかわらず、当該各号に掲げる額とする。

1 賃金が、労働した若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められている場合には、最後の6か月間に支払われた賃金の総額を当該最後の6か月間に労働した日数で除して得た額の100分の70に相当する額

2 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によって定められている場合には、1か月を30日として計算する。)で除して得た額と前号に掲げる額との合算額 

 

★賃金日額は、離職前6か月間の1日当たりの平均の賃金額です。

 原則は①で計算します。

 ②は最低保障です。最低保障が適用されるのは、日給制、時間給制、出来高払制その他の請負制の場合です。

★基本手当の日額は、賃金日額×給付率で計算します。

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H25年出題】

 月当たり一定の時間外労働があったものとみなして支給される定額残業手当が、実際に行われた時間外労働に基づいて算出された額を上回るとき、その差額は賃金に含まれない。

 

②【H25年出題】

 賃金日額の最高限度額は45歳以上60歳未満が最も高いが、最低限度額は年齢に関わりなく一律である。

 

③【H25年出題】

 賃金日額の計算にあたり算入される賃金は、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金を除く)の総額を90で除して得た額とされている。

 

④【H25年出題】

 支払義務が確定した賃金であって所定の支払日を過ぎてもなお支払われていない賃金は、賃金日額の算定対象に含まれる。

 

⑤【H25年出題】

 事業主が労働の対償として労働者に住居を供与する場合、その住居の利益は賃金日額の算定対象に含まない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H25年出題】 ×

 定額残業手当が、実際に行われた時間外労働に基づいて算出された額を上回るとき、その差額は賃金に「含まれます」。

 雇用保険法の賃金とは、名称の如何を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいいます。

 「労働の対償として支払われるもの」とは、労働した時間に対して支払われるものだけでなく、契約等で支給が事業主に義務づけられているものも含まれます。

(行政手引50402

 

 

②【H25年出題】 〇

 賃金日額には、最高限度額と最低限度額があります。

 最高限度額は年齢階層別に設定されていますが、最低限度額は年齢に関係なく一律で設定されています。

 例えば、令和481日から1年間の45歳以上60歳未満の賃金日額の上限は、16,710円です。この場合の基本手当の日額は、16,710円×給付率(50%)=8,355円となります。

 給付率は、原則50%~80%で、賃金日額が高いほど給付率は低くなり、賃金日額が低いほど給付率は高くなります。

 なお、60歳以上65歳未満の給付率は45%~80%です。

 

 

③【H25年出題】 ×

 賃金日額の計算にあたり算入される賃金は、被保険者期間として計算された最後の「6」か月間に支払われた賃金の総額を「180」で除して得た額です。なお、賃金の総額から除外されるのは、臨時に支払われる賃金及び「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」です。

 

 

④【H25年出題】 〇

 賃金日額の計算にあたり算入される賃金は、「被保険者として雇用された期間に対するものとして同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金」です。支払義務が確定した賃金であって所定の支払日を過ぎてもなお支払われていない賃金は、賃金日額の算定対象に含まれます。

(行政手引50451

 

⑤【H25年出題】 ×

 住居の利益は、原則として賃金となりますので、賃金日額の算定対象に含まれます。

(行政手引50501

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