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社会保険労務士合格研究室

労働基準法 平均賃金

R5-308

R5.7.1 平均賃金の計算方法

平均賃金の算定ルールを確認しましょう。

 

 条文を読んでみましょう。

12条第1項~5

 平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の1によって計算した金額を下ってはならない

1 賃金が、労働した若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60

2 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額

 期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。

 期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、期間及び賃金の総額から控除する。

1 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間

2 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間

3 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間

4 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間

5 試みの使用期間

 賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの算入しない。

 賃金が通貨以外のもので支払われる場合、賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。 

 

平均賃金の計算式(原則)

3か月間の賃金の総額

3か月間の総日数

について → 賃金総額(分子)、日数(分母)の両方から除外する

について → 賃金総額(分子)から除外する

 

平均賃金の最低保障額

3か月間の賃金の総額

×

60

3か月間の労働した日数

100

※最低保障が適用されるのは、日給制、時間給制、出来高払制(請負制)の場合です。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H27年出題】

 平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通勤手当及び家族手当は含まれない。

 

②【H27年出題】

 平均賃金の計算において、労働者が労働基準法第7条に基づく公民権の行使により休業した期間は、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から除外する。

 

③【H27年出題】

 労働災害により休業していた労働者がその災害による傷病が原因で死亡した場合、使用者が遺族補償を行うに当たり必要な平均賃金を算定すべき事由の発生日は、当該労働者が死亡した日である。

 

④【H27年出題】

 賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば731日に算定事由が発生したときは、なお直前の賃金締切日である630日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

 

⑤【H27年出題】

 賃金締切日が、基本給は毎月月末、時間外手当は毎月20日とされている事業場において、例えば625日に算定事由が発生したときは、平均賃金の起算に用いる直前の賃金締切日は、基本給、時間外手当ともに基本給の直前の締切日である531日とし、この日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 ×

 賃金の総額に算入しない賃金は、以下の賃金です。

・臨時の賃金

・3か月を超える期間ごとの賃金(賞与など)

・現物給与で法令・労働協約に基づくもの以外のもの

★「通勤手当及び家族手当」は賃金総額に算入します。

 

②【H27年出題】 ×

 平均賃金の計算の「期間」及び「賃金の総額」から除外するのは以下の期間です。

・ 業務上の負傷、疾病による療養のための休業期間

・ 産前産後の休業期間

・ 使用者の責めに帰すべき事由による休業期間

・ 育児休業又は介護休業期間

・ 試用期間

 

★「公民権の行使により休業した期間」は、その日数とその期間中の賃金は、平均賃金の計算に算入します。

 

③【H27年出題】 ×

 施行規則第48条で「災害補償を行う場合には、死傷の原因たる事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日を、平均賃金を算定すべき事由の発生した日とする。」と規定されています。

 遺族補償を行う場合の平均賃金を算定すべき事由の発生日は、「死亡した日」ではありません。

S25.10.19 基収2908号)

 

 

④【H27年出題】 〇

 賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日が起算日となります。

 賃金締切日が毎月月末で、731日に算定事由が発生したときは、6月30日から遡った3か月で算定します。

 

⑤【H27年出題】 × 

 賃金ごとに賃金締切日が異なる場合は、直前の賃金締切日は、それぞれの賃金ごとの賃金締切日です。

 問題文の場合は、基本給は531日、時間外手当は620日となります。

S26.12.27基収5926号)

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