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社会保険労務士合格研究室

労災保険法 遺族補償給付

R5-336

R5.7.29 遺族補償給付(遺族補償年金・遺族補償一時金)のポイント

 今日は「遺族補償給付」をみていきます。

 「遺族補償給付」には、遺族補償年金と遺族補償一時金があります。

 

さっそく過去問をどうぞ!

①【H28年出題】

 傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合には、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた妻は、遺族補償年金を受けることができる。

 

②【H28年出題】

 労働者が業務災害により死亡した場合、当該労働者と同程度の収入があり、生活費を分担して通常の生活を維持していた妻は、一般に「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた」ものにあたらないので、遺族補償年金を受けることはできない。

 

③【H28年出題】

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、自分の伯父の養子となったときは、消滅する。

 

④【H28年出題】

 遺族補償年金の受給権を失権したものは、遺族補償一時金の受給権者になることはない。

 

⑤【H28年出題】

 労働者が業務災害により死亡した場合、その兄弟姉妹は、当該労働者の死亡の当時、その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】 〇

 遺族補償給付は、労働者が業務上死亡した場合に支給されます。

 傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合は、業務上の死亡に該当します。また、妻は遺族補償年金を受けるに当たり、年齢・障害要件は問われませんので、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた場合は、遺族補償年金を受けることができます。

ポイント!

  「年金」を受けるには、死亡当時「生計を維持」していたことが条件です。

 「一時金」の場合は、「生計維持」していなくても、受けられる場合があります。

 

 

②【H28年出題】 ×

 相互に収入の全部又は一部をもって生計費の全部又は一部を共同計算している状態があれば「生計を維持していた」ものにあたります。共稼ぎの夫婦も配偶者の他方の収入の一部によって生計を維持していたことになります。

S41.1.31基発73号)

 

③【H28年出題】 〇

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、「直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき」は消滅します。

 自分の伯父は直系血族・直系姻族ではありませんで、伯父の養子となったときは、遺族補償年金を受ける権利は消滅します。

(法第16条の41項第3号)

 

④【H28年出題】 ×

 遺族補償年金の受給権を失権したものが、遺族補償一時金の受給権者になることがあります。

 遺族補償一時金が支給される要件は、次の2つです。

① 労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がいないとき。

② 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合に、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、支給された遺族補償年金の額及び前払一時金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない場合

 

 例えば、遺族補償年金を受けていた妻が再婚し、遺族補償年金の受給権が消滅しました。他に遺族補償年金の受給資格者がなく、支給された年金と前払一時金の額が給付基礎日額の1000日未満の場合は、1000日分と既に支給された年金等の合計額との差額が、妻に支給されます。

 このように、遺族補償年金の受給権を失権した者が、遺族補償一時金の受給権者になることもあります。

(法第16条の6

 

 

⑤【H28年出題】 〇

 遺族補償一時金の受給資格者は以下の通りです。

① 配偶者

② 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母

③生計を維持していない子・父母・孫・祖父母

④兄弟姉妹

 労働者の死亡の当時、その収入により生計を維持していなかった兄弟姉妹でも、遺族補償一時金の受給者となることがあります。

(法第16条の7) 

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