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社会保険労務士合格研究室

社会保険一般常識「高齢者医療確保法」

R7-280 06.04

高齢者医療確保法の保険料について

 高齢者医療確保法の保険料についてみていきましょう。

 

 高齢者医療確保法の「後期高齢者医療制度」の被保険者は以下の通りです。

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 次の各号のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者とする。

1) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者

2) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの

 

 では、保険料について条文を読んでみましょう。

法第104条 (保険料)

① 市町村は、後期高齢者医療に要する費用に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

② 保険料は、後期高齢者医療広域連合が被保険者に対し、後期高齢者医療広域連合の全区域にわたって均一の保険料率であることその他の政令で定める基準に従い後期高齢者医療広域連合の条例で定めるところにより算定された保険料率によって算定された保険料額によって課する。

③ 保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金、特別高額医療費共同事業による費用の拠出金及び出産育児支援金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用の予想額、都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額、高齢者保健事業に要する費用の予定額、被保険者の所得の分布状況及びその見通し、国庫負担並びに後期高齢者交付金等の額等に照らし、おおむね2年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

 

法第107条 (保険料の徴収の方法)

 市町村による保険料の徴収については、特別徴収(市町村が老齢等年金給付を受ける被保険者から年金保険者に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させることをいう。)の方法による場合を除くほか、普通徴収(市町村が、保険料を課せられた被保険者又は当該被保険者の属する世帯の世帯主若しくは当該被保険者の配偶者に対し、地方自治法の規定により納入の通知をすることによつて保険料を徴収することをいう。)の方法によらなければならない。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H23年出題】※改正による修正あり 

 都道府県及び市町村(特別区を含む。)は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金、第117条第2項の規定による拠出金及び出産育児支援金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H23年出題】 ×

 保険料を徴収するのは、「都道府県及び市町村(特別区を含む。)」ではなく、「市町村(特別区を含む。)」です。

 

 

②【H23年出題】※改正による修正あり

 保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金、第117条第2項の規定による拠出金及び出産育児支援金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用の予想額、都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額、第125条第1項に規定する高齢者保健事業及び同条第5項に規定する事業に要する費用の予定額、被保険者の所得の分布状況及びその見通し、国庫負担並びに第100条第1項の後期高齢者交付金等の額等に照らし、おおむね5年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H23年出題】 ×

 おおむね「5年」ではなく、「2年」です。

 

 

③【R5年出題】

 市町村は、後期高齢者医療に要する費用に充てるため、保険料を徴収し、後期高齢者医療広域連合に納付する。市町村による保険料の徴収については、市町村が老齢等年金給付を受ける被保険者(政令で定める者を除く。)から老齢等年金給付の支払をする者に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させる普通徴収の方法による場合を除くほか、地方自治法の規定により納入の通知をすることによって保険料を徴収する特別徴収の方法によらなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R5年出題】 ×

 特別徴収と普通徴収の説明が逆です。原則は「特別徴収」です。

   「市町村は、後期高齢者医療に要する費用に充てるため、保険料を徴収し、後期高齢者医療広域連合に納付する。市町村による保険料の徴収については、市町村が老齢等年金給付を受ける被保険者(政令で定める者を除く。)から老齢等年金給付の支払をする者に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させる「特別徴収」の方法による場合を除くほか、地方自治法の規定により納入の通知をすることによって保険料を徴収する普通徴収」の方法によらなければならない。」となります。

 

 

④【H30年出題】

 高齢者医療確保法では、老齢基礎年金の年間の給付額が18万円以上である場合、後期高齢者医療制度の被保険者が支払う後期高齢者医療の保険料は、年金からの特別徴収でなければならず、口座振替の方法により保険料を納付することは一切できない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H30年出題】 ×

 年金の年間の給付額が18万円以上の場合は特別徴収の対象です。

 ただし、一定の要件に該当する場合は、特別徴収ではなく普通徴収となります。口座振替の方法により保険料を納付することは一切できないわけではありません。

(法第110条、令第21条、22条)

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