合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」

社会保険労務士合格研究室

健康保険法「保険給付の制限など」

R7-314 07.08

少年院に収容された場合等の給付制限と保険料免除

 被保険者又は被保険者であった者が、少年院に収容されたときや刑事施設に拘禁されている場合は、公費で療養等が行われるので、健康保険の保険給付は行われません。また、保険給付が行われないため、保険料が免除されます。

 

 条文を読んでみましょう。

118

① 被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る)は、行わない

1) 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。

2) 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。

② 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない

 

ポイント!

・給付制限の対象になるのは、「疾病、負傷、出産」です。

 「死亡」については給付制限の対象ではありません。死亡の場合は、埋葬料(埋葬費)が支給されます。

 

 

 少年院に収容された場合などは、保険給付が制限されますので、保険料も徴収されません。

 条文を読んでみましょう。

法第158条 (保険料の徴収の特例)

 前月から引き続き被保険者(任意継続被保険者を除く)である者が118条第1項各号のいずれかに該当するに至った場合はその月以後、被保険者がその資格を取得した月に同項各号のいずれかに該当するに至った場合はその翌月以後、同項各号のいずれかに該当しなくなった月の前月までの期間、保険料を徴収しない

 ただし、被保険者が同項各号のいずれかに該当するに至った月に同項各号のいずれかに該当しなくなったときは、この限りでない。(→該当するに至ったときと該当しなくなったときが同じ月にある場合は、保険料が徴収されます)

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H26年出題】

 保険者は、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)を行わないが、被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない。

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】 〇

 被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されていても、被扶養者に係る保険給付は行われます。

 

 

②【R5年出題】

 被保険者又は被保険者であった者が、少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき又は刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたときのいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は行わないが、その被扶養者に係る保険給付も同様に行わない。

 

 

 

 

【解答】

②【R5年出題】 ×

 被扶養者に係る保険給付は行われます。

 

 

③【H27年出題】

 被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付は行われない。また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合については、原則として、その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。

 

 

 

 

【解答】

③【H27年出題】 ×

 前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合、保険料が徴収されないのは、原則として、その月以後、拘禁されなくなった月の前月までの期間です。

 

④【H29年出題】

 前月から引き続き任意継続被保険者である者が、刑事施設に拘禁されたときは、原則として、その月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H29年出題】 ×

 刑事施設に拘禁されていても、「任意継続被保険者」には保険料免除の規定は適用されません。 

社労士受験のあれこれ