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社会保険労務士合格研究室

社会保険に関する一般常識「社会保険労務士法」

R7-337 07.31

社会保険労務士法の懲戒について

 社会保険労務士法の懲戒処分についてみていきましょう。

 

 条文を読んでみましょう。

25条 (懲戒の種類)

 社会保険労務士に対する懲戒処分は、次の3種とする。

1) 戒告

2) 1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止

3) 失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分をいう。)

 

25条の2 (不正行為の指示等を行った場合の懲戒)

① 厚生労働大臣は、社会保険労務士が、故意に真正の事実に反して申請書等の作成、事務代理若しくは紛争解決手続代理業務を行ったとき、又は15条の規定に違反する行為をしたときは、1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止又は失格処分の処分をすることができる。

 

② 厚生労働大臣は、社会保険労務士が、相当の注意を怠り、①に規定する行為をしたときは、戒告又は1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止の処分をすることができる。

(参考)

法第15条 (不正行為の指示等の禁止)

 社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。

 

 

25条の3 (一般の懲戒)

厚生労働大臣は、前条の規定に該当する場合を除くほか、社会保険労務士が、第17条第1項若しくは第2項の規定により添付する書面若しくは同条第1項若しくは第2項の規定による付記に虚偽の記載をしたとき、この法律及びこれに基づく命令若しくは労働社会保険諸法令の規定に違反したとき、又は社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があつたときは、25条に規定する懲戒処分をすることができる

 

25条の3の2 (懲戒事由の通知等)

① 社会保険労務士会又は全国社会保険労務士会連合会、社会保険労務士会の会員について、前二条に規定する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該会員の氏名及び事業所の所在地並びにその行為又は事実を通知しなければならない。

② 何人も、社会保険労務士について、前二条に規定する行為又は事実があると認めたときは、厚生労働大臣に対し、当該社会保険労務士の氏名及びその行為又は事実を通知し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

 

過去問をどうぞ!

①【R1年出題】

 社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人が社会保険労務士法若しくは同法に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該社会保険労務士又は社会保険労務士法人に対して、社会保険労務士法第25条に規定する懲戒処分をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R1年出題】 ×

 問題文の場合は、社会保険労務士会は、「注意勧告」をすることができます。

 条文を読んでみましょう。

25条の33(注意勧告)

社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該社会保険労務士又は社会保険労務士法人に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる

 

 

②【H25年出題】

 開業社会保険労務士が委託者より呈示された帳簿等の記載内容が真正の事実と異なるものであることを知りながら、故意に真正の事実に反して申請書等の作成をした場合は、失格処分を受けることがある。

 

 

 

 

【解答】

②【H25年出題】 〇

故意に真正の事実に反して申請書等の作成をした場合は、厚生労労働大臣は、1年以内の業務の停止又は失格処分の処分をすることができます。

 問題文のように、失格処分を受けることがあります。

 

 

③【H28年出題】

 社会保険労務士法第25条の2第2項では、厚生労働大臣は、開業社会保険労務士が、相当の注意を怠り、労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じたときは、当該社会保険労務士の失格処分をすることができる。

 

 

 

 

【解答】

③【H28年出題】 ×

 開業社会保険労務士が、相当の注意を怠り、労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じたときは、厚生労働大臣は、「戒告又は1年以内業務の停止の処分をすることができる。」とされています。

「失格処分」の対象にはなりません。

 

 

④【H20年出題】

 厚生労働大臣は、社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があった場合、懲戒処分をすることができるが、この権限は政令に定めるところにより、全国社会保険労務士会連合会に委任されている。

 

 

 

 

【解答】

④【H20年出題】 ×

 懲戒処分をすることができる厚生労働大臣の権限は、全国社会保険労務士会連合会には委任されていません。

 

 

⑤【H26年出題】

 社会保険労務士は、所属する社会保険労務士会の会則を遵守すべき義務があり、会則の不遵守は厚生労働大臣による懲戒処分の対象となりえる。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H26年出題】 〇

 社会保険労務士法第25条の30では、「社会保険労務士は、所属社会保険労務士会の会則を守らなければならない。」と定められています。

 また、第25条の3 (一般の懲戒)で、「この法律及びこれに基づく命令若しくは労働社会保険諸法令の規定に違反したとき」は、厚生労働大臣は懲戒処分することができることが定められています。

 所属する社会保険労務士会の会則の不遵守=社会保険労務士法に違反した場合は、厚生労働大臣による懲戒処分の対象となりえます。

 

 

⑥【H25年出題】

 厚生労働大臣は、社会保険労務士に対し戒告の処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、その理由を付記した書面により当該社会保険労務士に通知しなければならないが、官報をもって公告する必要はない。

 

 

 

 

【解答】

⑥【H25年出題】 ×

 官報をもって公告する必要があります。

 条文を読んでみましょう。

25条の5 (懲戒処分の通知及び公告)

厚生労働大臣は、第25条の2又は第25条の3の規定により懲戒処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、その理由を付記した書面により当該社会保険労務士に通知するとともに、官報をもって公告しなければならない

 

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