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R7-355 08.18
労働基準法、雇用保険法、労働保険徴収法の「賃金」の定義を確認しましょう。
また、労働基準法の「平均賃金」、「割増賃金」、雇用保険法の「賃金日額」、徴収法の「労働保険料」の算定に含むもの、含まれないものもみていきます。
「賃金」の定義を横断で確認しましょう。
★労働基準法 第11条 労働基準法で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
★雇用保険法 第3条第4項、第5項 ④ 雇用保険法において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。 ⑤ 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。 則第2条 (通貨以外のもので支払われる賃金の範囲及び評価) ① 法第4条第4項の賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲は、食事、被服及び住居の利益のほか、公共職業安定所長が定めるところによる。 ② 通貨以外のもので支払われる賃金の評価額は、公共職業安定所長が定める。
★労働保険徴収法 第2条第2項、第3項 ② 労働保険徴収法において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。 ③ 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。 則第3条 法第2条第2項の賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲は、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるところによる。 |
過去問をどうぞ!
★労働基準法
①【労基H23年出題】
労働基準法に定める賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者又は顧客が労働者に支払うすべてのものをいう。
【解答】
①【労基H23年出題】 ×
「使用者又は顧客が」ではなく、「使用者が労働者に支払うすべてのもの」です。
(法第11条)
②【労基H27年出題】
労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。
【解答】
②【労基H27年出題】 〇
退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金となりません。
但し退職金、結婚手当等であって労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件の明確なものは賃金となります。
(昭22.9.43発基第17号)
③【労基H27年出題】
平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通勤手当及び家族手当は含まれない。
【解答】
③【労基H27年出題】 ×
「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」は平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額から除外されますが、「通勤手当及び家族手当」は、計算に含まれます。
★平均賃金を計算する際「日数」と「賃金総額」の両方から控除するもの
・業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
・産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間
・使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
・育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間
・試みの使用期間
★平均賃金の計算の基礎となる賃金総額に算入しない賃金
・臨時に支払われた賃金
・3か月を超える期間ごとに支払われる賃金
・通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの
④【労基H26年出題】
通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。
【解答】
④【労基H26年出題】 〇
通勤手当は、割増賃金の基礎となる賃金には算入されません。
★割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時に支払われた賃金
・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
(法第37条第5項、則第21条)
※家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当は名称にかかわらず、実質によって取り扱うとされています。
例えば、家族数に関係なく一律に支給されている家族手当は、平均賃金の算定に含まれます。
★雇用保険法
①【雇用H21年出題】
雇用保険法における「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うものをいうが、通貨で支払われるものに限られる。
【解答】
①【雇用H21年出題】 ×
「通貨以外のもので支払われるもの(=現物給付)で、厚生労働省令で定める範囲」のものは賃金に含まれます。
(法第4条第4項、則第2条第1項)
②【雇用H26年出題】
事業主が労働の対償として労働者に住居を供与する場合、その住居の利益は賃金日額の算定対象に含まない。
【解答】
②【雇用H26年出題】 ×
「賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲」は、食事、被服及び住居の利益のほか、公共職業安定所長が定めるところによるとされています。
食事、被服、住居の利益は、公共職業安定所長が定めるまでもなく、賃金の範囲に算入されます。
問題文の住居の利益は、賃金となります。
(則第2条第1項、行政手引50403、行政手引50501)
③【雇用H22年出題】
賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額から除外されるので、それらの多寡によって基本手当の日額が異なることはない。
【解答】
③【雇用H22年出題】 ×
「家族手当、通勤手当及び住宅手当」は、賃金日額の計算に算入されます。
(行政手引50501)
★賃金日額を計算する際に賃金総額から除外されるもの
・臨時に支払われる賃金
・3か月を超える期間ごとに支払われる賃金
★労働保険徴収法
①【徴収H19年出題】(雇用)
労働保険徴収法における「賃金」は、通貨で支払われるもののみに限られず、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものも含むとされている。
【解答】
①【徴収H19年出題】(雇用) 〇
労働保険徴収法の「賃金」は、通貨で支払われるものに限られません。食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものも含みます。
(法第2条第2項、則第3条第1項)
②【徴収R5年出題】(雇用)
労働保険徴収法における「賃金」のうち、食事、被服、住居の利益の評価に関し必要な事項は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長が定めることとされている。
【解答】
②【徴収R5年出題】(雇用) ×
労働保険徴収法における「賃金」のうち、食事、被服、住居の利益の評価に関し必要な事項は、「厚生労働大臣」が定めることとされています。
(法第2条第3項)
③【徴収H26年出題】(労災)
慶弔見舞金は、就業規則に支給に関する規定があり、その規定に基づいて支払われたものであっても労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含めない。
【解答】
③【徴収H26年出題】(労災) 〇
結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金など個人的、臨時的な吉凶禍福に対して支給されるものは、労働協約等によって事業主にその支給が義務づけられていても、賃金となりません。
(昭25.2.16基発127号)
④【徴収H24年出題】(労災)
退職を事由として支払われる退職金であって、退職時に支払われるものについては、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入しない。
【解答】
④【徴収H24年出題】(労災) 〇
退職を事由として支払われる退職金であって、退職時に支払われるものについては、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入されません。
(平15.10.1基徴発1001001号)
⑤【H29年出題】(労災)
労働者が在職中に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、原則として、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入する。
【解答】
⑤【H29年出題】(労災) 〇
労働者が在職中に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、原則として、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入するとされています。
(平15.10.1基徴発1001001号)
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