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社会保険労務士合格研究室

健康保険法「被扶養者」

R8-022 9.15

被扶養者に該当する要件(健康保険法)

 健康保険の被扶養者に該当する要件をみていきましょう。

 まず、条文を読んでみましょう。

法第3条第7項

 「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。

ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。

1) 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。)直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの

2) 被保険者の三親等内の親族で(1)に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

3) 被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるもの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

(4) (3)の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

 

 

■被扶養者となる条件

・日本国内に住所を有している

又は

・日本国内に住所を有しないが日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるもの

 

★日本国内に住所を有していることが原則ですが、例外もあります。

 例外をみていきましょう。

→ 外国に一時的に留学をする学生、外国に赴任する被保険者に同行する家族等の一時的な海外渡航を行う者については、日本国内に住所がないとしても、日本国内に生活の基礎があると認められる者として、国内居住要件の例外として取り扱われます。

 

★日本国内居住要件の例外として取り扱われる者を厚生労働省令で確認しましょう。

則第37条の2

 法第3条第7項本文の厚生労働省令で定めるものは、次に掲げる者とする。

1) 外国において留学をする学生

2) 外国に赴任する被保険者に同行する者

3) 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者

4) 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者であって、(2)に掲げる者と同等と認められるもの

5) 前各号に掲げる者のほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

 

 

 

過去問を解いてみましょう

①【R2年出題】

 被扶養者の認定において、被保険者が海外赴任することになり、被保険者の両親が同行する場合、「家族帯同ビザ」の確認により当該両親が被扶養者に該当するか判断することを基本とし、渡航先国で「家族帯同ビザ」の発行がない場合には、発行されたビザが就労目的でないか、渡航が海外赴任に付随するものであるかを踏まえ、個別に判断する。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R2年出題 〇

 外国に赴任する被保険者に同行する者は、国内居住要件の例外として、日本国内に生活の基礎があると認められる者として扱われます。

 被扶養者の認定の際は、国内居住要件の例外に該当することを証する書類の添付が求められます。

 問題文の場合は、「家族帯同ビザ」の確認で判断することが基本とされます。渡航先国で「家族帯同ビザ」の発行がない場合には、発行されたビザが就労目的でないか、渡航が海外赴任に付随するものであるかを踏まえ、個別に判断するとされています。

(5.6.19保保発06191)

 

 

 

②【R7年出題】

 健康保険法における被扶養者とは、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りではない。厚生労働省令で定める者とは、日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において2年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものをいう。

 

 

 

 

 

【解答】 

②【R7年出題】 ×

 「後期高齢者医療の被保険者等である者」、「健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者」は、被扶養者になりません。

 「健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者」とは、日本国籍を有さず、「特定活動(医療目的)「特定活動(長期観光)」で滞在する者です。

 

 則第37条の3に規定されています。

① 日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦に相当期間滞在して、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの(医療目的)

② 日本の国籍を有しない者であって、入管法第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(長期観光)

 

 

 問題文は、「長期観光」ですが、2年を超えない期間ではなく「1年を超えない期間」です。

 

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