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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「中高齢寡婦加算」

R8-026 9.19

中高齢寡婦加算について「死亡した夫の要件」

 要件を満たした夫が死亡した場合、妻の遺族厚生年金に40歳から65歳まで「中高齢寡婦加算」が加算されます。

 今回は、「死亡した夫」の要件を見ていきます。

 

では、条文を読んでみましょう。

法第62

① 遺族厚生年金(58条第1項第4号(長期要件)に該当することにより支給されるものであって、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であるものを除く)の受給権者であるであってその権利を取得した当時40歳以上65歳未満であったもの又は40歳に達した当時当該被保険者若しくは被保険者であった者ので国民年金法第37条の2第1項に規定する要件に該当するもの(当該被保険者又は被保険者であった者の死亡後に同法第39条第3項第2号から第8号までのいずれかに該当したことがあるものを除く。)と生計を同じくしていたものが65歳未満であるときは、遺族厚生年金の額に遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算する。

② 中高齢寡婦加算を開始すべき事由又は廃止すべき事由が生じた場合における年金の額の改定は、それぞれ当該事由が生じた月の翌月から行う。 

 

 

★中高齢寡婦加算が加算される妻の条件を確認しましょう。

①子がいない場合

遺族厚生年金の権利を取得した当時40歳以上65歳未満であったもの

②子がいる場合(遺族基礎年金を受けている場合)

40歳に達した当時当該被保険者若しくは被保険者であった者の子と生計を同じくしていたもの(遺族基礎年金を受けている)

→子が18歳の年度末等になり、遺族基礎年金が支給されなくなったときから65歳になるまで中高齢寡婦加算が加算されます。

 

★中高齢寡婦加算の額を確認しましょう

遺族基礎年金の額×4分の3(定額)

 

 

★では、死亡した夫の条件を確認しましょう

・遺族厚生年金は「短期要件」と「長期要件」があります。(法第58条第1項)

<短期要件>

① 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であった者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき。

② 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。

③ 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。

<長期要件>

④ 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。

 

 

 

★中高齢寡婦加算について死亡した夫の条件を確認しましょう

→ 「第58条第1項第4号(長期要件)に該当することにより支給されるものであって、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であるものを除く。」とされています。

→ 長期要件で支給される遺族厚生年金の場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が240月以上あることが条件です。

 

 

では過去問をどうぞ!

R7年出題】

 障害等級2級の障害厚生年金を受給する夫が死亡し、子のいない妻が遺族厚生年金を受給する場合、夫死亡時の妻の年齢によっては、中高齢寡婦加算が行われることがある。ただし、当該死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240未満である場合は、中高齢寡婦加算は行われない。

 

 

 

 

 

【解答】

R7年出題】 ×

 遺族厚生年金が短期要件に該当していても、長期要件に該当していても、要件を満たした場合、中高齢寡婦加算が加算されます。

 ただし、「長期要件」に該当する場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240月以上あることが条件です。

 問題文は、「障害等級2級の障害厚生年金を受給する夫の死亡」により支給される遺族厚生年金ですので、「短期要件」です。そのため、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240未満であっても、中高齢寡婦加算が行われます。

 

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→ https://youtu.be/ukFBw8tK9No?si=iNRSlmTWkfdqPSHi

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