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R8-050 10.13
労働基準法の総則をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第1条 (労働条件の原則) ① 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。 ② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
第2条 (労働条件の決定) ① 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。 ② 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。
第3条 (均等待遇) 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
第4条 (男女同一賃金の原則) 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
第5条 (強制労働の禁止) 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
第6条 (中間搾取の排除) 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
第7条 (公民権行使の保障) 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。
第9条 (定義) この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
第10条 この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。
第11条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
第12条 平均賃金の算出(今回は省略します) |
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①【R3年出題】
労働基準法第1条第2項にいう「この基準を理由として」とは、労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合をいうことから、社会経済情勢の変動等他に決定的な理由があれば、同条に抵触するものではない。

【解答】
①【R3年出題】 〇
労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合は、第1条に抵触しますが、「社会経済情勢の変動等他に決定的な理由」がある場合は、抵触しません。
(昭63.3.14基発150号)
※第1条、第2条違反については、罰則の定めはありません。
②【H28年出題】
労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものであって、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない。

【解答】
②【H28年出題】 〇
労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものです。本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければなりません。
(昭22.9.13発基17号)
➂【R3年出題】
労働基準法第3条が禁止する「差別的取扱」をするとは、当該労働者を有利又は不利に取り扱うことをいう。

【解答】
➂【R3年出題】 〇
労働者を「有利」に取り扱うことも差別的取扱に含まれます。
④【H29年出題】
労働基準法第3条は、使用者は、労働者の国籍、信条、性別又は社会的身分を理由として、労働条件について差別的取扱をすることを禁じている。

【解答】
④【H29年出題】 ×
労働基準法第3条で禁止しているのは、労働者の「国籍、信条、社会的身分」を理由として、労働条件について差別的取扱をすることです。第3条では、「性別」を理由とする差別的取扱については禁止していません。
⑤【H25年出題】
労働基準法第4条は、性別による差別のうち、特に顕著な弊害が認められた賃金について、罰則をもって、その差別的取扱いを禁止したものである。

【解答】
⑤【H25年出題】 〇
労働基準法第4条では、性別による差別のうち、「賃金」についてのみ、差別的取扱いを禁止しています。
⑥【R7年出題】
労働基準法第5条に定める「労働者の意思に反して労働を強制する」とは、不当な手段を用いることによって、使用者が労働者の意識ある意思を抑圧し、その自由な発現を妨げて、労働すべく強要することをいい、必ずしも労働者が現実に労働することを必要としない。

【解答】
⑥【R7年出題】 〇
第5条で禁止しているのは、使用者が「労働者の意思に反して労働を強制する」ことです。労働者が現実に労働することは必要とされません。
(昭23.3.2基発381号)
⑦【R7年出題】
労働基準法第6条に定める「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」の「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいい、1回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば、これに当たる。

【解答】
⑦【R7年出題】 〇
「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいい、1回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば、これに当たります。
(昭23.3.2基発381号)
⑧【R7年出題】
労働審判員や裁判員としての職務は労働基準法第7条にいう「公の職務」に該当するため、労働者が労働時間中に、これらの職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、使用者はこれを拒んではならないが、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

【解答】
⑧【R7年出題】 〇
使用者は、選挙権その他公民としての権利の行使や公の職務を執行するために必要な時間を、労働時間中に認めなければなりませんので、労働者が労働時間中に、必要な時間を請求した場合は、使用者はこれを拒んではなりません。「拒んだ」だけで、第7条違反となります。ただし、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができます。
⑨【H29年出題】
株式会社の取締役であっても業務執行権又は代表権を持たない者は、工場長、部長等の職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて労働基準法第9条に規定する労働者として労働基準法の適用を受ける。

【解答】
⑨【H29年出題】 〇
株式会社の取締役でも業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長等の職にあって賃金を受ける場合には、労働基準法第9条に規定する労働者として労働基準法の適用を受けます。
(昭23.3.17基発461号
⑩【R7年出題】
労働基準法第9条に定める「労働者」とは、他人との間に使用従属の関係に立って労務に服し、報酬を受けて生活する者をいい、現に就業していると否とを問わないから、失業者をも含む。

【解答】
⑩【R7年出題】 ×
労働基準法第9条に定める労働者は、「事業に使用される者」ですので、失業者は含みません。
なお、労働組合法の労働者は、「他人との間に使用従属の関係に立って労務に服し、報酬を受けて生活する者をいい、現に就業していると否とを問わないから、失業者をも含む。」とされています。(昭23.6.5労発基262号)
⑪【R2年出題】
「事業主」とは、その事業の経営の経営主体をいい、個人企業にあってはその企業主個人、株式会社の場合は、その代表取締役をいう。

【解答】
⑪【R2年出題】 ×
使用者は、①事業主、②事業の経営担当者、③その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいいます。
そのうち、①「事業主」とは、その事業の経営の経営主体をいい、個人企業にあってはその企業主個人、株式会社の場合は、「その代表取締役」ではなく、「法人そのもの」をいいます。
⑫【R7年出題】
労働者が自己を被保険者として生命保険会社等と任意に保険契約を締結したときに企業が保険料の補助を行う場合、その保険料補助金は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、労働基準法第11条に定める「賃金」とは認められない。

【解答】
⑫【R7年出題】 〇
労働者が生命保険会社等と任意に保険契約を締結したときに企業が行う保険料補助金は、労働基準法第11条に定める「賃金」となりません。
なお、労働者が法令の定めにより負担すべき所得税等(社会保険料等も含む。)を使用者が労働者に代わって負担する場合は、使用者が労働者に代わって負担する部分は、労働基準法第11条の賃金となります。
(昭63.3.14基発150号)
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