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R8-060 10.23
育児休業等終了時改定は、育児休業等終了時に3歳未満の子を養育している被保険者が対象です。
育児休業等終了時に、報酬に変動があった場合に標準報酬月額が改定されます。なお、被保険者からの申し出が必要です。
ポイント!
随時改定の要件に該当しなくても改定されます。
・1等級の差でも行われる
・固定的賃金の変動がなくてもよい
・報酬支払基礎日数が17日未満の月がある場合は、除いて算定する
条文を読んでみましょう
法第43条の2 (育児休業等を終了した際の改定) ① 保険者等は、育児・介護休業法に基づく育児休業等を終了した被保険者が、当該育児休業等を終了した日(以下「育児休業等終了日」という。)において当該育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合において、その使用される事業所の事業主を経由して厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、育児休業等終了日の翌日が属する月以後3月間(育児休業等終了日の翌日において使用される事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定する。ただし、育児休業等終了日の翌日に産前産後休業を開始している被保険者は、この限りでない。 ② 改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。 |
例えば、令和7年10月23日に育児休業等が終了した場合
令和7年 10月 |
11月 |
12月 | 令和8年 1月 |
・・・・・ |
8月 |
報酬の総額÷月数 (17日未満の月除く) | 改定 |
|
| ||
(有効期間)
育児休業等終了日の翌日(10月24日)から起算して2月を経過した日の属する月の翌月(=令和8年1月)からその年の8月まで
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
被保険者が多胎妊娠し(出産予定日は6月12日)、3月7日から産前休業に入り、6月15日に正常分娩で双子を出産した。産後休業を終了した後は引き続き育児休業を取得し、子が1歳に達した日をもって育児休業を終了し、その翌日から職場復帰した。産前産後休業期間及び育児休業期間に基づく報酬及び賞与は一切支払われておらず、職場復帰後の労働条件等は次のとおりであった。なお、職場復帰後の3か月間は所定労働日における欠勤はなく、育児休業を終了した日の翌日に新たな産前休業に入っていないものとする。この被保険者に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものはどれか。(誤りは2つ)
【職場復帰後の労働条件等】
始業時刻 10:00
終業時刻 17:00
休憩時間 1時間
所定の休日 毎週土曜日及び日曜日
給与の支払形態 日額12,000円の日給制
給与の締切日 毎月20日
給与の支払日 毎月末日
(ア) 事業主は出産した年の3月から8月までの期間について、産前産後休業期間中における健康保険料の免除を申し出ることができる。
(イ) 出産手当金の支給期間は、出産した年の5月2日から同年8月10日までである。
(ウ) 事業主は産前産後休業期間中における健康保険料の免除期間の終了月の翌月から、子が1歳に達した日の翌日が属する月の前月までの期間について、育児休業期間中における健康保険料の免除を申し出ることができる。
(エ) 出産した年の翌年の6月末日に支払われた給与の支払基礎日数が17日未満であるため、同年7月末日及び8月末日に受けた給与の総額を2で除した額に基づく標準報酬月額が、従前の標準報酬月額と比べて1等級以上の差がある場合には育児休業等終了時改定を申し出ることができる。
(オ) 職場復帰後に育児休業等終了時改定に該当した場合は、改定後の標準報酬月額がその翌年の8月までの各月の標準報酬月額となる。なお、標準報酬月額の随時改定には該当しないものとする。

【解答】
(ア)と(イ)が誤
(ア) ×
産前産後休業中に保険料が免除される期間は、「産前産後休業を開始した日の属する月から産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月」までです。
問題文の場合は、産前休業を開始した日が3月7日、産後休業は出産日の翌日から56日の8月10日までです。
保険料が免除されるのは、産前産後休業を開始した日の属する月(=3月)からその産前産後休業が終了する日の翌日(8月11日)が属する月の前月(=7月)までとなります。
(法第159条の3)
(イ) ×
出産手当金の支給期間は、「出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間」です。
問題文の場合は、出産の日が出産予定日より後ですので、出産予定日(6月12日)以前98日の3月7日から同年8月10日までとなります。
(法第102条)
(ウ) 〇
育児休業期間中の保険料は、育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合は、「育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月」まで免除されます。
なお、産前産後休業中は、「産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間」が免除の期間となります。
産前産後の免除期間の終了月の翌月=育児休業等を開始した日の属する月となります。そのため、産前産後休業期間中における健康保険料の免除期間の終了月の翌月から、子が1歳に達した日の翌日(=育児休業等が終了する日の翌日)が属する月の前月までの期間について、事業主は、育児休業期間中における健康保険料の免除を申し出ることができます。
(法第159条)
(エ) 〇
■6月14日に育児休業等が終了した場合
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ・・・・・ | 翌年8月 |
報酬の総額÷月数 (17日未満の月除く) | 改定 |
|
| ||
6月末日に支払われた給与の支払基礎日数が17日未満の場合は、6月を除いて算定します。
7月末日及び8月末日に受けた給与の総額を2で除した額に基づく標準報酬月額が、従前の標準報酬月額と比べて1等級以上の差がある場合には育児休業等終了時改定を申し出ることができます。
(法第43条の2)
(オ) 〇
「育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月」までが有効期間ですが、「当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月」までとなります。
問題文の場合は、9月に改定されますので、翌年の8月までの各月の標準報酬月額となります。
②【H28年出題】
産前産後休業を終了した際の改定は、固定的賃金に変動がなく残業手当の減少によって報酬月額が変動した場合も、その対象となる。

【解答】
②【H28年出題】 〇
産前産後休業を終了した際の改定は、固定的賃金に変動がなく残業手当の減少によって報酬月額が変動した場合も、その対象となります。育児休業等を終了した際の改定も同様です。
➂【R7年出題】
被保険者が令和7年1月1日に職場復帰し、育児休業等終了時改定に該当した場合は、改定後の標準報酬月額がその年の8月までの各月の標準報酬月額となる。なお、標準報酬月額の随時改定には該当しないものとする。

【解答】
➂【R7年出題】 〇
育児休業等終了日の翌日(=令和7年1月1日)から起算して2月を経過した日の属する月(=3月)の翌月(=4月)からその年の8月までの各月の標準報酬月額となります。
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