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社会保険労務士合格研究室

健康保険法「傷病手当金」

R8-065 10.28

傷病手当金の支給要件

 一定の要件を満たした被保険者には傷病手当金が支給されます。

 傷病手当金の支給要件について条文を読んでみましょう

法第99条第1項 (傷病手当金)

 被保険者(任意継続被保険者を除く)療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。

 傷病手当金は、休み始めて4日目から支給され、最初の3日間は支給されません。最初の3日間を待期といいます。なお、待期は「連続した3日間」で完成します。

 

では、過去問を解いてみましょう

①【R5年出題】

 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が業務外の疾病により労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して4日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。

 

 

 

 

【解答】

①【R5年出題】 ×

 傷病手当金は、労務に服することができなくなった日から起算して「4日」ではなく「3日」を経過した日から支給されます。

 

 

 

②【R1年選択式】※改正による修正あり

 4月1日に労務不能となって3日間休業し、同月4日に一度は通常どおり出勤したものの、翌5日から再び労務不能となって休業した場合の傷病手当金の支給期間は、  < A >通算されることになる。また、報酬があったために、その当初から支給停止されていた場合の傷病手当金の支給期間は、報酬をうけなくなった< B>又は報酬の額が傷病手当金の額より少なくなった< B >から通算されることになる。

<選択肢>

41日から ②43日から ③44日から ④45日から

⑤日  ⑥日の2日後  日の3日後  日の翌日

 

 

 

 

【解答】

A> ④45日から

B> ⑤日

 傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して1年6月間です。(法第99条第4項)

★<A>について

4月

1日

 

2日

 

3日

 

4日

 

5日

 

・・・・・

出勤

・・・・・

 4月1日~3日まで連続3日間休んでいますので、この3日間で待期は完成しています。

 そのため、傷病手当金は、再び労務不能になって休業した5日から支給されます。

★<B>について

報酬あり

報酬

なし

傷病手当金 支給停止

支給

        

 報酬が支払われている場合、傷病手当金は支給停止されます。ただし、報酬が支払われていても待期は完成します。

 そのため、傷病手当金は報酬を受けなくなった日(=支給停止事由がなくなった日)から支給されます。

(昭24.1.24保文発162

 

 

➂【H28年出題】

 傷病手当金の支給要件として継続した3日間の待期期間を要するが、土曜日及び日曜日を所定の休日とする会社に勤務する従業員が、金曜日から労務不能となり、初めて傷病手当金を請求する場合、その金曜日と翌週の月曜日及び火曜日の3日間で待期期間が完成するのではなく、金曜日とその翌日の土曜日、翌々日の日曜日の連続した3日間で待期期間が完成する。

 

 

 

 

【解答】

➂【H28年出題】 〇

 休日も待期期間に算入されます。問題文の場合は、金曜日とその翌日の土曜日、翌々日の日曜日の連続した3日間で待期期間が完成します。

 

 

④【H28年出題】

 被保険者が就業中の午後4時頃になって虫垂炎を発症し、そのまま入院した場合、その翌日が傷病手当金の待期期間の起算日となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たすことになる。

 

 

 

 

【解答】

④【H28年出題】 ×

 待期は、「労務不能の状態になった日」から起算するのが原則です。ただし、労務不能になったのが業務終了後の場合は「その翌日」から起算します。

 問題文は、就業中に発症しそのまま入院していますので、その翌日ではなく、「その日」が待期期間の起算日となります。

(昭5.10.13保発52

 

 

⑤【R7年出題】

 被保険者が令和723日の就業時間内において私傷病により救急搬送され、そのまま入院した場合、傷病手当金の待期期間の起算日はその翌日である同年2月4日となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たすことになる。

 

 

 

 

【解答】

⑤【R7年出題】 ×

 「就業時間内」に労務不能になった場合は、傷病手当金の待期期間の起算日は「その翌日」ではなく「その日」(2月3日)となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たします。

 

 

⑥【R3年出題】

 傷病手当金の支給要件に係る療養は、一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることを要件としており、自費診療による療養は該当しない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R3年出題】 ×

 一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることは要件となりません。自費診療による療養も傷病手当金の対象となります。

(昭2.2.26保発345

 

 

 

⑦【R1年出題】

 傷病手当金は、労務不能でなければ支給要件を満たすものではないが、被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しない。また、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合も同様に労務不能には該当しない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【R1年出題】 ×

・前半について

その本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合 → 労務不能には該当しない

・後半について

本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合 → 労務不能に該当する

 

 問題文の後半(本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事した場合等)が誤りです。

(15.2.25保保発第0225007号/庁保険発第4号/)

 

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